90歳の女性も2本杖でユニバーサルランを楽しんだ(2025年10月撮影) 誰もがスポーツを楽しめる社会を目指して【前編】-「ユニバーサルラン」の魅力とは
毎年楽しみにされている方もいらっしゃるのは、うれしいですね。参加者の中には障害のある方や運動が苦手な方、体力に自信がない方などもいらっしゃるとのことですが、初めてマラソンをするような方でも参加できますか?
山田さん:もちろん参加できます。ゆるい種目なのでご自身のペースで歩いてもよいです。運動が苦手な方や運動習慣のない方にも、ユニバーサルランへの参加を機に自発的な身体活動につなげてほしいですね。当日は、1往復(2km)歩き切る、という目標から始めてもよいと思います。
参加者が事前に準備することや、当日気をつけたほうがいいことなどはありますか?
山田さん:運動習慣のない方は特に、いきなり大会当日を迎えるのではなく、事前に屋外である程度の練習をしていただけるとよいかと思います。車いす介助のケースでは、雑踏の屋外環境であるため、乗っている人と介助者の息を合わせながら進むことが大切です。よって、お互いに声をかけ合う合図を決めておくことをお勧めします。また、車いすや義肢、補装具を使用する方は、事前に器具の安全性を点検しておくことも大切です。雨天決行なので、雨対策も事前に準備しておくとよいと思います。
当日は無理に頑張ろうとせず、ご自身の体力レベルに合わせてください。コースが狭いので、「にいがたおたがいに」の精神で、混雑してもお互いに譲り合い、気持ちよく楽しんでいただきたいです。
90歳の女性も2本杖でユニバーサルランを楽しんだ(2025年10月撮影) この記事を読んで、ユニバーサルラン部門に興味を持った方や、参加を検討している方にメッセージをお願いします。
山田さん:ユニバーサルランは住まいや年齢、性別、障害の有無に関係なく、誰でも参加できるラン種目です。定員は現在400名ですが、毎年それを上回るエントリーがあり、しかも増加傾向です。おそらくこの種目名は全国初だと思いますが、県内外で認知度も上がっており、参加ランナーの様相も多様化してきています。
例えば、エントリー入力段階では性別選択欄はありますが、競技種目でないことから男女の区別はしていないので、セクシュアルマイノリティーの方々にも気兼ねなく参加していただけると思います。また、新潟シティマラソン公式ウェブサイトでのアナウンスを英語でも発信していただくように提案していましたが、2025年度から運用が始まったことで、全体的に外国人ランナーも参加しやすくなりました。
さらに、車いすランナーを含めユニバーサルランに参加した人たちが、その数年後にファンラン(10.6km)に参加するケースがあることから、何か運動したいなと思っている人たちの最初のきっかけづくりにもなると思います。
「みんなで走ろう!Run Together!」
これが私自身のモットーです。興味のある方はぜひご参加ください。
車いすで参加する男性と理学療法士(前列右)も「Run Together!」(2023年10月撮影) おわりに
前編では、新潟シティマラソンにおける「ユニバーサルラン」とはどういったものなのか、昨年までの参加者や開催時の状況、安全面への配慮などについてお話しいただきました。
障害や困難があるからとあきらめることなく、誰しもがスポーツを楽しむことは大切な権利であり、その機会を奪うようなことがあってはならないと山田さんは語ります。ユニバーサルランをきっかけに「スポーツを通じたインクルーシブなまちづくり」への機運が向上してほしいとおっしゃっていたのが印象的でした。
第42回新潟シティマラソンのユニバーサルラン種目は、2026年4月8日よりエントリー受付開始となっています。マラソンをやったことがないという方でも、自分のペースで参加できる「ユニバーサルラン」に応募してみてはいかがでしょうか。
後編では、ユニバーサルラン種目の実現までの経緯や、理学療法士としての役割、今後の展望などについて伺っていきます。