【第5回】試したくなる!理学療法士が4コママンガで教える身体のはなし~膝の痛みに関する工夫・予防編 その2~

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この連載では、新米理学療法士が主人公の4コママンガで、身体について悩みを持つ方やそのご家族、ご友人の方々が試したくなる予防や対処法、基礎知識などを、理学療法士の視点を活かして解説します。

第4回では、産後の腰痛予防に関するストレッチや筋トレについて、2つのマンガをご紹介しました。第5回となる今回は、変形性膝関節症の患者さんに取り入れていただきたい自宅でできるストレッチや、日常生活の工夫についてお話ししていきます。マンガで楽しく、身体について学びましょう!

※本記事は、「理学療法士マンガ」のツイッターアカウント(運営:公益社団法人 日本理学療法士協会)に掲載されたマンガを元に作成しています。なお、こちらのツイッターアカウントは2022年11月をもって終了いたしました。

膝のはなし その1「膝の曲がりを良くするのに効果的なのは、膝関節の動きを大きくするストレッチ」

最近家にいることが多くて、なかなか動くことがなくなってしまったという患者さんの話を聞く理学療法士の主人公。「自宅で手軽にできるストレッチがいいね」という医師からのアドバイスを受けて、主人公は「膝関節の動きを大きくするストレッチが良さそう」と提案します。

まずはお風呂の中で、かかとをつけたまま膝を曲げ、しっかり曲がったところで5秒ほど保持するストレッチから始めることを、患者さんに勧めます。

膝に痛みがあると「動かしたらもっと痛くなるのでは」と思い、運動することに消極的になりがちです。しかし、動かさないでいると、筋力が低下したり、腱・靭帯の柔軟性低下が起こることで膝への負担が増加してしまいます。そして、膝の痛みがさらに増加するという「悪い循環」に陥ってしまいます。

一方で、運動して膝を動かすようにすると、筋力が増加し、腱・靭帯の柔軟性が向上することで、膝への負担が軽減されます。結果的に、膝の痛みが軽減し関節を動かしやすくなり、運動もしやすくなります。これが「良い循環」です。

痛みや辛さを感じる強さのストレッチは逆効果ですが、無理のない範囲で運動して動かすことは、膝痛の改善に役立ちます。理学療法士や医師に相談しながら、自分のペースでストレッチなどをおこなうことが大切です。

膝のはなし その2「変形性膝関節症の方は膝に負担をかけない工夫をしよう!」

リハビリ中の患者さんと理学療法士の主人公、医師が話をしています。「変形性膝関節症でも生活しやすくなる方法があるかしら?」と質問する患者さん。医師は膝を温めてから動き出すと良いなど、生活の上での工夫をいくつかアドバイスしています。ほかにはどんな工夫をするといいのか見てみましょう。

変形性膝関節症は、膝の軟骨が少しずつ減少して、変形したり骨がこすれたりして痛みが起こる病気です。痛みのほかに、水がたまる、こわばりなどの症状が生じます。また、骨と骨がぶつかって、軟骨がすり減って、滑膜の炎症を引き起こすこともあります。

読者の皆さんの中にも、変形性膝関節症と診断されて、膝の痛みに悩んでいる方がいらっしゃると思います。しかし、前述したように、膝が痛いからと動かさないでいると、さらに症状を悪化させてしまいます。また、膝に変形があったとしても、7~8割の方は痛みを生じないと言われています。変形=痛みと捉えてしまいますが、変形や痛みがあるからと言ってあきらめる必要はないのです。

まず、準備運動とウォーキングなどの運動を続けて、自分に最も合った歩数を把握してみましょう。万歩計やスマートフォンの歩数計を用いて1日の歩数を記録し、痛みが強くなった場合は前日の歩数がどの程度だったかを確認してください。記録を続けるうちに、自分に最も合った歩数が把握できるようになります。

また、膝が腫れたり、熱を有したりした場合は、整形外科を受診しましょう。無理せずに、自分のペースで運動を続けていくようにしましょう。

このほかの変形性膝関節症の生活の工夫やおすすめの有酸素運動などは、下記の記事で紹介しているので参考にしてください。

【第3回】試したくなる!理学療法士が4コママンガで教える身体のはなし~膝の痛みに関する工夫・予防編 その1~
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