【中編】睡眠の質を上げる方法とは?生活習慣においてできる工夫や効果的な運動などを解説!

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・適切な運動の強度とは?

睡眠の質の向上には、息が上がり、汗をかく程度の中強度以上の運動が効果的といわれています。
ただし、過度な疲労を誘発するような強度が高すぎる運動は、かえって睡眠の質を低下させる可能性があるため注意が必要です。また、運動習慣のない方や高齢の方は、筋肉痛や怪我の発生にもつながる可能性があるため、軽い運動から徐々に運動強度を上げていくことをおすすめします。

・適切な運動量とは?

WHOの身体活動・座位行動ガイドラインでは、1週間で150~300分の中強度の身体活動、もしくは75~150分の高強度の身体活動をおこなうことが推奨されています。
例えば、3日に1回運動すると仮定すると、1日に50~100分の中強度、もしくは25~50分の高強度の身体活動を目指していくことになります。

多くの運動時間を一度に確保することは難しい場合もあるため、1日の中で複数回に分けて細切れに運動をおこなうのも良いでしょう。

なお、睡眠直前の運動は避ける必要がありますが、運動の終了が就寝2時間前であれば、高強度の運動でも睡眠の質が向上すると報告されています。日中にできなかった運動は、就寝2時間前を目安に夕方以降の時間帯におこなうことも効果的と考えられます。

出典:健康づくりのための睡眠ガイド 2023

・何から始めればよいの?

この連載で紹介したように、光を浴びることは良好な睡眠に大切なポイントです。そのため、日中におこなう屋外でのウォーキングやジョギングなどは、運動と光の恩恵を同時に得ることができ、効率よく睡眠の質を向上できる可能性があります。
筋力トレーニングやヨガなどでも睡眠の質が上がると報告されています。

また、日頃の家事も中強度に該当するものがあります。ご紹介した中から、ご自身の継続しやすい運動を習慣的に取り入れると良いでしょう。

まとめ

中編では、理学療法士の小島さんに、年齢別の最適な睡眠時間や、生活習慣での工夫や日中にできる運動の観点から、どうしたら睡眠の質を高められるのかなどについてご紹介いただきました。
運動が睡眠に与える効果については、ご存じなかった方もいるのではないでしょうか。生活習慣も工夫していただきながら、ぜひ、ご自身にあった運動を実施いただき、睡眠の質向上にお役立てください。

後編は、睡眠の質を上げるために寝室でできる工夫などについて、引き続き理学療法士の小島さんと、同じく理学療法士の内藤さんにご紹介いただきます。お楽しみに。

前へ:睡眠の質を上げる方法とは?①

PROFILE

内藤 翼(ないとう つばさ)理学療法士/修士(保健学)

内藤 翼(ないとう つばさ)理学療法士/修士(保健学)

専門分野:脳卒中理学療法

2012年に理学療法士免許を取得。同年、医療法人愛広会 介護老人保健施設 中条愛広苑に入職。2015年から医療法人愛広会 新潟リハビリテーション病院に勤務。
E-mail:hpa08070@gmail.com

PROFILE

小島 将(こじま しょう)理学療法士/博士(保健学)

小島 将(こじま しょう)理学療法士/博士(保健学)

専門分野:循環器理学療法学、腎臓リハビリテーション

2018年理学療法士免許取得。その後大学院で2年間研究に従事し、2020年に現職である嬉泉病院に入職、2024年に博士号を取得して現在に至る。 腎臓リハビリテーション指導士。