【後編】睡眠の質を上げる方法とは?寝る前にできる工夫を解説!

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読者の皆さんの中には、布団に入ってから眠るまでに時間がかかる、枕やマットレスが合っておらず身体が痛くて眠れない、とお悩みの方もいるのではないでしょうか。しかし、寝室でもできるようなちょっとした工夫で寝付きを良くすることができます。

前回の記事では、年齢別の最適な睡眠時間や、生活習慣での工夫や日中にできる運動の観点からどうしたら睡眠の質を上げられるのかなどについてお伝えしました。

後編では、睡眠の質を上げるために寝室でできる工夫について、理学療法士の小島さんと内藤さんのお二人にお話を伺います。

睡眠の質を上げる方法とは?②

寝室の環境で工夫しよう!

睡眠の質を上げる寝室とは、寝つきやすく、夜中に起きないで朝スッキリと目覚められる部屋です。スッキリ目覚められる部屋を作る方法を5つご紹介します。

① 照明を真っ暗にする
明るい光は睡眠を浅くし、睡眠休養感を損なうかもしれません。真っ暗は苦手という方は、10ルクス(ろうそくの灯から1m離れたところの明るさ)程度の暖色系の微灯や間接照明を活用しましょう。
夏は日の出が早いため、睡眠時間を確保するなら、朝までぐっすり眠れるように遮光カーテンで部屋を暗くするのがおすすめです。

② 快適な温度を保つ
人それぞれ快適と感じる温度は違いますが、夏や冬ではエアコンを常につけたままにし、快適な温度を保ちましょう。就寝前には寝室内の温度を適温にしてから入室しましょう。
寒い時期は、特に寝具の環境も重要とされています。寝具が冷えていると体温を保とうとして身体の筋肉が縮んで硬くなり、姿勢も縮こまってしまいます。就寝前に寝具の中を湯たんぽや電気毛布を使って温めておきましょう。

③ 無音にする
テレビやBGMも極力控えましょう。「図書館の館内、ささやき声」に相当する40デシベルを超えるような騒音は睡眠に悪影響を及ぼします。どうしても音が無いと寝られない方は決めた時間に自動で切れるオフタイマーを活用しましょう。また、近所の騒音が気になるようであれば遮音カーテンを使ってみましょう。

④ 好きな香りやリラックスできるアロマを使う
香りやアロマは自律神経のバランスを整えて、入眠しやすくなります。お店でお好みのアロマをチェックしてみてはいかがでしょうか。ラベンダー、ベルガモット、サンダルウッドなど様々な香りがあります。(内藤さん:ちなみに私は「金木犀」が好きです。)

⑤ 寝室にスマホなどを持ち込まない
寝るためだけの寝室にし、ほかに何か作業ができるようなものは置かないようにしましょう。基本は寝室にベッドのみある状態が理想です。寝室に来たら眠るスイッチを脳が勝手に「ON」にする環境が大切です。

負担のない体勢や寝具などで工夫しよう!

寝るときに、首や肩、腰などが痛くてなかなか寝付けないという方は、負担のない体勢で、マットレスの硬さや素材、枕の素材を変えてみましょう。

・寝る体勢
残念ながら、睡眠時の体勢として、仰向け、うつ伏せ、横向きのうち、どの体勢が最も睡眠の質を上げるかは、明らかになっていないのが現状です。ただし、慢性的に腰や背中に痛みがある方は、うつ伏せ姿勢が最も痛みを引き起こしやすく、横向き姿勢が痛みを予防できると考えられます。また、仰向け姿勢は気道閉塞を引き起こしやすく、睡眠中の低酸素血症や中途覚醒を増加させてしまうため、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の方も、横向き姿勢での睡眠が推奨されます。

一方で、横向き姿勢でも、マットレスが硬いと肩関節痛が発生しやすい場合があるので注意が必要です。

・マットレスの硬さ・素材
適切なマットレスの硬さは、主観的に柔らかい、中程度に硬い、非常に硬いの3つのタイプのうち、中程度に硬いマットレスが最も睡眠の質を上げると研究で示されています。
また、形状記憶素材を使ったマットレスは、身体のラインにあった形状に変化することから、関節や局所にかかる圧力が分散されやすく、肩や腰の痛みを軽減できる可能性があります。

・枕の素材
慢性的な首の痛みがある方は、羽毛素材の枕よりもラテックス素材やスプリング素材の枕を使うと、首の痛みが軽減されることが研究で示されています。
また、枕の経年劣化により沈みこみが強くなっている場合は、枕の素材にかかわらず、首の痛みの原因になる可能性があるため、早めに新しい枕へ変えましょう。

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寝る前にストレッチや深呼吸をしよう!
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