【前編】子どもとスポーツ〜子どもの成長と運動の関係〜

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子どもの成長と運動発達の特徴

子どもには、身長、体重など身体の量的増加の「成長」と、精神・運動などの機能的成熟の「発達」という大きな特徴があり、これには大きな個人差があります。子どもの骨は大人よりも軟骨が豊富にあって弾力性があり、筋肉・靭帯も柔軟性に富んでいますが、未成熟なので損傷されやすいという特徴があります。

子どもの外傷(ケガ)などの原因には、このような発育期の体の特徴が関係しています。

また、上のグラフは、子どもの年齢に応じた運動発達における各分野の発達量を示したもので、それぞれの分野で発達量が増えやすい時期に違いがあることがわかります。

例えば、小児期は動作の習得(脳・神経系)に関する発育が顕著であることがわかります。そして思春期前半は、粘り強さ(呼吸・循環系)、身長(骨格系)の発育が著しく、思春期後半になると、力強さ(筋)の発達量が増えていきます。

これらの発達の特徴を考慮し、個人の発達に応じた運動をおこなうことが大切です。

発達状況に配慮したスポーツ活動を

今回は、コロナ禍が子どもの体力へ及ぼす影響や子どもの発育過程におけるスポーツの効果、運動発達の特徴などについてご紹介しました。

発育期の子どもの体にはさまざまな特徴があり、大きな個人差もあります。これらを考慮して運動やスポーツをおこなうことが、外傷(ケガ)のリスク軽減にもつながります。個々の体の特徴や変化と向き合いつつ、子どもたちが元気に楽しくスポーツができるようサポートしていきたいですね。

次回は、子どもに多く見られるスポーツ障がいや、その予防法について解説します。

※この記事は2022年3月2日時点での情報で作成しています。
※この記事は、以下を参考に作成しています。
令和3年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果のポイント(スポーツ庁)
令和3年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果(概要)について(スポーツ庁)
令和3年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査 実施要領(スポーツ庁)
令和元年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果のポイントについて(スポーツ庁)
德村光昭.子どもの成長発達段階を考えたスポーツ指導.慶應保健研究.2020.第38巻.第1号.7-12頁
公益財団法人運動器の健康・日本協会.改訂版 学校の運動器疾患・障害に対する取り組みの手引き(第4版).2019

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