第10回「笑顔をあきらめない。」写真コンテスト 受賞作のご紹介

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7月13日に公開した「2022年度理学療法の日特集:イベントに参加して理学療法・理学療法士をもっと知ろう!」の記事で、理学療法の日(7月17日)や全国一斉イベントについてお伝えしました。この理学療法の日にちなみ、公益社団法人 日本理学療法士協会では「笑顔をあきらめない。」写真コンテストを開催しています。

日本理学療法士協会は「笑顔をあきらめない。」をキャッチコピーに、病気や加齢などの何らかの理由により身体の障害や生活に支障が生じた場合でも、その人らしい生活が送れること、また、当事者やそのご家族の前向きな気持ちをサポートできる地域社会を築くことを目指しています。

その思いや活動をご理解いただき、活動の輪を広げるため、「笑顔をあきらめない。」をメインテーマに据えた写真を募集しました。第10回となる今年も多くの方にご参加いただき、全国から97作品をご応募いただきました。

最優秀賞の作品1点と優秀賞の作品2点をここでご紹介いたします。

最優秀賞

アリガト幸せな一日(作者:中野すみ子様)

私にとって孫は宝物です。

結婚式を沖縄で行うと聞いたときは、ぜひ行きたいと思いました。しかし、膝が前々から痛くて思うように歩けませんでした。そこでいつも通院している病院のお医者さんに相談したところ、「結婚式に間に合うように治してあげる」と力強い言葉をくださり、結婚式の二か月前に膝の手術を決意しました。

手術の後は想像していたよりも痛みが強く、こんなじゃとても式に間に合わないと思いました。けれどリハビリの先生も熱心に運動を指導してくださり、周りの支えもあって無事に結婚式に参加することができました。

沖縄のきれいな海と空のもと、孫のドレス姿をみれた時は色々と込み上げるものがあり、涙が止まりませんでした。親族からは主人の葬儀の時より泣いていたと笑われるくらいでした。

結婚式の日の夜、孫が「おばあちゃん、来てくれてありがとう」と言ってハグをしてくれました。参加できて本当に良かったです。

優秀賞

はじめてのひとり旅(作者:山村愛様)

「メグちゃん、リハビリの時間だよ。」

毎朝、同じ時間にカーテンが開く。抗がん剤治療の真っ只中でも容赦ない。ベッド上でぐったりした私の足が先生の手によって勝手に動き出す。

(スパルタだ、鬼だ。)

気持ち悪さに耐えながら、そんなことばかり頭を巡る。

23歳で右腸骨骨肉腫と診断。身体障害者になる自分を受け入れられないまま、手術で骨盤の1/3と中殿筋、小殿筋の一部を失った。

立ち方のわからない自分に震えが止まらない。歩けない自分が悔しくて許せなかった。

リハビリのない日は先生に教えてもらったように一歩ずつ、声を殺して泣きながら階段を何往復もした。ついに歩けるようになったとき、自分事のように喜んでくれた先生とは、今でも友人のように仲が良い。

あれから18年、ひとりでは何も出来ないと思って生きてきてしまった私が、はじめてひとり旅に出た。自分の足で自由に歩き、美しい景色を見る。

生きるって最高だ。

リハビリ楽しい!(作者:工藤由香子様)

突然意識を失い、脳出血から脳ヘルニアで生死を彷徨い、救命優先のため左麻痺になった当時9歳の娘。一生車椅子であろうと絶望していた娘が、寝たきりの状態から座ることができることになり、立つことができるようになり、歩けるようになったあの日を忘れることはありません。毎日、笑いの絶えない楽しいリハビリの時間が彼女を絶望の淵から救い、前向きにしてくれました。もしかしたら歩けるかもしれない。そう思わせてくださった理学療法士の先生方には感謝しかありません。

本当にありがとうございました。

その他の受賞作品や過去の受賞作品は協会公式サイトでご確認ください。

日本理学療法士協会「第10回「笑顔をあきらめない。」写真コンテスト
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