【助成事業・前編】2022年度障がい者団体助成事業紹介〜病気や障害があっても暮らしやすい社会へ〜ウルリッヒの会、こころリカバリーフットボール協会

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公益社団法人 日本理学療法士協会は、「2022年度障がい者団体助成事業」を実施し、助成対象として3団体を採用しました。

「障がい者団体助成事業」は、国民の皆様が住み慣れた地域で安心して生活できる社会を構築することを目的におこなわれている取り組みです。日本理学療法士協会では、協会の理念に基づき、すべての方の健康と幸福に寄与するため、障がい者団体助成の対象となる団体を公募しその活動を応援しています。

前編では、採用された3団体の中から2団体の活動と採択された助成事業についてご紹介します。この記事を機に、障害や障害のある方々の暮らし、それを支える方々の活動について知っていただき、考えていただけたらうれしいです。

ウルリッヒの会のご紹介

ウルリッヒ病の患者と家族を応援したい

ウルリッヒの会の公式ホームページ。病気についてや活動内容が紹介されている

ウルリッヒ病は、Ⅵ型コラーゲン遺伝子の異常により発症することが分かっている、先天性筋ジストロフィーの一つで、小児慢性特定疾病(指定難病29)に指定されています。症状の実態を掴めておらず、現在のところ根本的な治療方法が見つかっていません。日本でウルリッヒ病を専門に研究している機関や研究者がほとんどいないため、医療者の中でも十分に周知されているとは言えない状態です。

そのため、ウルリッヒの会では、病気の理解と知識習得、情報交換と勉強会の実施、患者およびその家族との懇談の機会の提供、また、医療関係者との連携による知識の向上をおこなっています。

ウルリッヒの会 ホームページ

講演会を開催したい〜採択事業について〜

「2022年度障がい者団体助成事業」では、ウルリッヒ病の治療に向けた研究に関する講演会開催が採択されました。そして、2022年7月31日、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、急遽対面からオンライン開催に変更となりましたが、ウルリッヒの会 第4回通常総会終了後、特別講演会が開催されました。

特別講演会の内容は下記となります。

  • 『iPS細胞技術を用いた6型コラーゲン欠損筋ジストロフィーに対する細胞治療法の開発』
    京都大学iPS細胞研究所・臨床応用研究部門 櫻井英俊准教授
  • 『Ullrich型先天性筋ジストロフィーの自然歴研究について』
    東京女子医科大学 小児科 石垣景子准教授・チーム医師

※日本理学療法士協会の障がい者団体助成事業としては01が対象となります。

質疑では先生方からの丁寧な回答があり、参加者の知識の向上とともに、非常に有意義な情報交換の場となったとのことです。

ウルリッヒの会ブログ『ウルリッヒの会 第4回総会・特別講演会・懇親会オンライン開催』

こころリカバリーフットボール協会のご紹介

精神障がい者もスポーツする機会を諦めなくて良い社会へ

こころリカバリーフットボール協会は、精神障がい者をはじめ、様々な状況にある方々が回復できるようフットサルを通じた交流促進、情報交換等を普及すべく活動している団体です。

フットサルによる心と身体の健康を目指し、インクルーシブ(共生)社会に関心がある方と結びつくことを願って運営されています。

心身の健康を目指してフットサルを普及させたい〜採択事業について〜

「ここリカ presents Enjoy League」の参加メンバー

「2022年度障がい者団体助成事業」では、心と身体の健康を目指したフットサル活動の促進が採択されました。この活動は、2020年、2021年、2022年と3年連続で助成されています。

2022年6月に「第4回ソーシャルフットボール(※)全国大会東京予選2022」、7月〜2023年3月にかけて「ここリカ presents Enjoy League」が開催されました。また、同年11月にはプロサッカークラブ・東京ヴェルディと「東京ヴェルディ meets ソーシャルフットボール2022」を開催し、東京ヴェルディのコーチ陣による直接指導や交流試合がおこなわれました。さらに、同年12月には山梨県のソーシャルフットボールチーム・アトムズ甲府と山中湖の体育館で交流戦と食事会が開催されました。

※編集部注:ソーシャルフットボール
名称は、イタリアでおこなわれているcalciosocialeが由来。日本では、精神疾患や精神障害を持つ方を対象としたフットサル競技のことを指す。

参考:日本ソーシャルフットボール協会

1年間のリーグ戦に、4チームと個人参加の選手(延べ160名)が参加しました。同じ目的がある方々が集まり切磋琢磨することで、参加者の心と身体の健康につながることが期待されます。最終節は、参加する選手代表がアイデアを出し合い、それぞれの選手を表彰し参加賞も用意されました。

「ここリカ presents Enjoy League」最終節ではアワードも開催。多くの選手が表彰された

2023年もEnjoy Leagueが開催されています。ご協力いただける方や一緒にプレイしてくださる方を募集されているそうですので、興味のある方は下記の公式X(エックス)アカウントをご覧ください。

こころリカバリーフットボール協会 公式X(エックス)

■「こころリカバリーフットボール協会」2023年の主な活動予定
・Enjoy League2023
スポセン祭り
※9月18日に新宿スポーツセンターにておこなわれるイベント。こちらで第5回ソーシャルフットボール全国大会東京都予選を開催予定

※この記事は2023年9月13日時点での情報で作成しています。
※この記事は、以下を参考に作成しています。

ウルリッヒの会

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