避難所生活ではエコノミークラス症候群に要注意!予防のコツを学んでおこう

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9月1日は防災の日。また、8月30日〜9月5日は防災週間です。自然災害は、いつどこで何が起こるか分かりません。いざという時に困らないよう、この機に備えておきましょう。

2024年1月に甚大な被害をもたらした能登半島地震では、断水による影響で長期間の避難所生活を余儀なくされた方も多くいらっしゃいました。地震に限らず、台風や豪雨、津波、火山噴火など、多くの災害が発生する日本。もし被災してしまった場合、慣れない避難所生活では様々な影響が身体に出てくることがあります。

今回は、近年、避難所生活において注意が必要とされているエコノミークラス症候群について、その基本情報と予防策をご紹介します。

避難所生活で注意したいエコノミークラス症候群

避難所で健康に過ごすためには、衛生面に気をつけるほか、十分に睡眠をとること、そして、運動を取り入れることが必要です。

なぜ、運動が必要かというと、エコノミークラス症候群を発症するリスクが高まる恐れがあるためです。

食事や水分を十分にとらない状態で、長時間足を動かさないで座っていると、血行不良が起こり、血液が固まりやすい状態となります。そして、足の深部に血のかたまり(深部静脈血栓)ができ、そのかたまりが血管の中を流れ、肺の血管を閉塞してしまう(肺塞栓症)と、生命の危機につながる可能性があります。

下記に当てはまる方は、エコノミークラス症候群を起こす可能性が高いため、特に注意して過ごしましょう。

  • 高齢者
  • 下肢静脈瘤がある方
  • 下肢の手術の既往がある方
  • 骨折等のけがをしている方
  • がん(悪性腫瘍)に罹患している方
  • 深部静脈血栓症・心筋梗塞・脳梗塞等の既往がある方
  • 肥満の方
  • 経口避妊薬を使用している方
  • 妊娠中または出産直後の方
  • 生活習慣病(糖尿病、高血圧、高脂血症等)がある方
出典:厚生労働省厚生労働科学研究事業「深部静脈血栓症/肺塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)について」

なお、大腿から下の脚に発赤、腫脹、痛みが出現したり、胸痛、息切れ、呼吸困難、失神などが出現された場合は、早急な受診が必要です。

エコノミークラス症候群は飛行機や車などの狭い座席で起こるイメージが強いですが、避難所も例外ではありません。車中泊をされる方も、狭い車内に長く滞在することになるため注意が必要です。

エコノミークラス症候群を予防するには

窮屈な場所で長時間同じ姿勢をとることは避け、散歩をするなど足を動かす運動をおこないましょう。脱水を防ぎ血流を良くすることが、予防には効果的です。

厚生労働省は、「エコノミークラス症候群の予防のために」の中で予防のために心がけると良いこととして、下記の6つを紹介しています。予防のための足の運動も紹介されていますので、ぜひ併わせて参考にしてください。

  • ときどき、軽い体操やストレッチ運動をおこなう
  • 十分にこまめに水分を取る
  • アルコールを控える。できれば禁煙する
  • ゆったりとした服装をし、ベルトをきつく締めない
  • かかとの上げ下ろし運動をしたりふくらはぎを軽くもんだりする
  • 眠るときは足をあげる
出典:厚生労働省「エコノミークラス症候群の予防のために」
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