【前編】職業病を予防して健康に働き続けよう~産業保健の基礎知識と現状~

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職業病というと、どのような症状を思い浮かべられるでしょうか。運搬作業などの動作による腰痛だけでなく、デスクワークに起因する腰痛や職場におけるメンタルヘルス不調なども職業病に数えられます。職業病は、どの職場でも起こりうるものなのです。

職業病の原因や症状は、職種や業務内容により様々ですが、発生を防ぎ、心身ともに健康で働き続けるための取り組みとして、産業保健というものがあります。

今回は、産業保健の基礎知識や職業病の予防活動について、全3回に分けてご紹介します。前編では、職業病の種類や発生状況など、産業保健の基礎知識を学んでいきましょう。

産業保健とは?

産業保健とは、労働安全衛生法にのっとり、企業等で働く人々の労働環境や作業条件、健康状態を把握し、産業医学に基づいて改善する支援をおこなうことです。

働く人々が心身ともに健康に働き続けることができ、その結果として生産性を向上させることを目的としています。

産業保健分野を担う職種には、産業医、歯科医師、看護職、衛生管理者、社会保険労務士など多くの職種が挙げられます。そして、運動指導や生活指導の面では理学療法士もサポートすることができます。

職業病は職場の大きな損失につながる?

職場における健康と生産性の指標には、プレゼンティーズムとアブセンティーズムという2つの指標があります。

この2つは合わせて健康問題に起因したパフォーマンスの損失と捉えられています。「疾病の予備群」や「疾病を患った方」、どちらに対しても予防的な取り組みが必要です。

近年、企業の健康関連のコスト損失額において、アブセンティーズムと比べてプレゼンティーズムが大きな割合を占めていることが着目されています。

職場側にとっては人財の確保、働く皆さんにとっては生産性ややりがいを高めるためにも、個人や組織が、普段の仕事のなかで職業病の発生予防に取り組んでいく必要があります。

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