【中編】佐藤弘道さんインタビュー 脊髄梗塞の後遺症と向き合う体操のお兄さん~今日という日は今しかないから、毎日ドキドキ・ワクワクしていたい~

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体操のお兄さんとして、日本全国の多くの方たちに親しまれている“ひろみちお兄さん”こと佐藤弘道さん。2024年6月に脊髄梗塞を発症、その後は闘病、理学療法などのリハビリテーションを経て、様々な活動に取り組まれています。

リガクラボでは、7月17日の「理学療法の日」の特別企画の一環として、佐藤弘道さんのインタビューをお届けしています。前編では脊髄梗塞を発症されてから治療や理学療法に励んできた日々について、どのような思いで乗り越えられてきたのかをお話しいただきました。2回目となる中編では、佐藤さんが今後取り組んでいきたいことなどについて伺っていきます。

ももクロとのコラボ「MEKIMEKI体操」に込めた思い

2024年大晦日に出演したももいろ歌合戦にて、ももいろクローバーZのメンバーの皆さんと佐藤さん

2024年6月に脊髄梗塞を発症されてからわずか半年で、大晦日にももいろクローバーZ(以下、ももクロ)が開催する「第8回 ももいろ歌合戦 ~愛の大晦日~」に出演されたことに驚きました。どのような思いで参加されましたか。また、後遺症の残る中で、不安はなかったでしょうか。

佐藤さん:自分が罹患してからいろいろと調べてみたら、脊髄梗塞という病気があまりにも世の中に知られていないことがわかりました。活動を再開した当初は、とにかく脊髄梗塞のことを、多くの方に知っていただきたいという思いが強かったんです。そんな折に年末のももいろ歌合戦に「サプライズゲストで出てくれませんか?」と声をかけていただきました。

ももクロのメンバーとは「MEKIMEKI体操」の振付監修をさせてもらったり、以前から交流がありました。モノノフ(=ももクロのファン)の皆さんも「ひろみちお兄さん!」と温かく迎えてくれました。復帰後で一番大きな舞台でしたが、皆さんが支えてくれて、とても安心できる場所だったので、不安はありませんでした。また、ステージには妻も一緒に上がってくれて、僕が動けない分、横で動いてくれていました。最近は、妻と一緒にする仕事も増えています。

佐藤さんが振付監修された「MEKIMEKI体操」は、誰でも楽しくおこなえそうです。どういう体操か、込められた思いなどを教えていただけますか?

「MEKIMEKI体操」をメインコンテンツとした日本郵政グループの「カラダうごかせ!ニッポン!プロジェクト」は、スポーツ庁主宰「第4回Sports in Lifeアワード」で企業部門初の大賞(最優秀賞)を獲得した。写真左からスポーツ庁 長官 室伏広治氏、日本郵政株式会社 常務執行役 櫻井誠氏、ももいろクローバーZ 高城れにさん、佐藤さん

佐藤さん:立ったままでも、座ったままでもできる、子どもから高齢者、障がい者の方までみんなで一緒にできる体操を目指して作りました。健康づくりに必要な3つの体力要素「有酸素(持久力)」「柔軟(ストレッチ)」「筋力(筋トレ)」に「リラックス」をプラスした新しい体操です。ももクロのメンバーにも、コンセプトを理解してから、取り組んでもらいました。

また、この体操には最後に手を振る動きが入っています。一人だとわかりにくいけれど、参加者が10人、100人、1,000人と増えてくると、すごく一体感が生まれるんです。体操のようなダンスでもあり、ダンスのような体操でもあり、楽しいですよ。「ラジオ体操」「みんなの体操」の流れを汲んだ、国民の皆さんに親しんでいただける体操として、今までとは違ったタイプのものがあってもいいかなと思っています。

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心身ともに良い状態をキープできるよう、日々を大切に