【前編】変形性膝関節症ってどんな病気?セルフチェックで自分に合った治療法を知ろう

変形性膝関節症の医学的治療法

変形性膝関節症の症状は初期から中期、末期と3段階に分けられます。医学的治療では段階に合わせた治療をおこない、治療法は保存療法と手術療法に分けられます。

初期段階

症状:立ち上がり、歩き始めなど動作の開始時のみに膝が痛む

初期症状の段階では、保存療法が有効です。保存療法には(1)薬物療法、(2)装具療法、(3)理学療法の3種類があります。

(1)薬物療法
薬物療法では、鎮痛剤や関節腔内注射で痛みを抑え、関節の動きを良くします。

(2)装具療法
装具療法では、足底板(そくていばん)や膝関節装具で痛みを抑えます。足底板は、靴の中に入れて、体重のかかる位置を変化させることで、歩くときの症状緩和に効果があります。

膝関節装具は、歩くときに関節の動揺が生じ(関節が不安定になり)、痛みが出たり、身体を支えるのに力が発揮しにくいなどの症状を有する場合に、装具を用いることで関節の安定性が図れ、症状の軽減を得ることがあります。

膝関節装具

(3)理学療法
理学療法では、運動療法や生活指導をおこない、膝への負担を減らします。

中期段階

症状:膝が痛く、正座や階段の昇り降りが困難

中期段階では、手術療法をおこないます。中期の手術療法には(1)関節鏡視下手術、(2)高位脛骨骨切り術(HTO)の2種類があります。

(1)関節鏡視下手術
関節鏡視下手術は、関節鏡で膝関節の中を掃除します。変性した半月板や軟骨、増え過ぎた滑膜や骨のトゲを処理する手術です。

(2)高位脛骨骨切り術(HTO)
高位脛骨骨切り術(HTO)は、すねの骨を切って人口骨を入れ、金属で固定し、正常な膝の形に戻す方法です。関節自体は変わらないため、正座ができたり、スポーツ・農業など仕事に復帰する方もいます。

高位脛骨骨切り術(HTO)

末期段階

症状:安静時にも痛い、関節の変化が目立つ、膝が伸びにくい、歩くのが困難

末期段階では、人工膝関節置換術(TKA)という関節を入れ替える手術をおこないます。関節を金属や樹脂の人工物に入れ替えることにより、再び立ち上がったり、歩いたりすることができます。入院期間が短く、手術後から回復が期待できます。

人工膝関節置換術(TKA)

※徳永真巳監修:ひざの痛みと治療方法.オリンパステルモ バイオマテリアル株式会社.から改変引用

自分の症状に合った治療法で改善を

今回ご紹介した「変形性膝関節症」は、初めて聞いたという方も多いかもしれません。しかし、年齢を重ねるにつれてその割合は増え、膝の痛みを抱えている方は非常に多く、身近な病気と言えるでしょう。

膝の痛みは、加齢で仕方のないことだと諦めてしまうことも多いですが、簡単なセルフチェックで自分に合った治療法を見つけ、改善していくことができます。また、予防のためには運動が有効とされていますので、痛みを感じることの少ない40代のうちから適度な運動を心がけましょう

次回の中編では、変形性膝関節症を自宅で予防&進行を緩やかにできる、簡単な運動療法についてご紹介します。

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