【中編】変形性膝関節症ってどんな病気?自宅でできる運動で予防&進行を緩やかに

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「変形性膝関節症」は、膝の軟骨が徐々に減少し、変形したり骨がこすれて痛みが生じる病気です。年齢を重ねるにつれて罹患率は高くなり、痛みや歩きにくさを感じることで、生活面でも困ることが多くなってしまいます。

前編では、変形性膝関節症についての基礎知識やセルフチェック方法、症状段階に合った治療法をご紹介しました。連載第2回目となる中編では、予防や進行を緩やかにするために、自宅で簡単におこなえる運動療法をご紹介していきます。

膝関節の動きを大きくするストレッチ

変形性膝関節症の症状を予防・進行を緩やかにするために、自宅でできる簡単な運動療法をご紹介します。

まずは、ストレッチで膝関節の動きを大きくしましょう。ただし、痛みやつらさを感じる強さは逆効果なので、痛みのない程度に無理せずおこなってください。ストレッチ中は呼吸を止めずに、無理のない回数で、ゆっくり動くことを心がけましょう。

変形性膝関節症を予防するストレッチは、痛みを感じることの少ない40代のうちから継続しておこなうのが理想です。ストレッチのやり方は年齢に関係なく同じなので、ぜひ実践してみてください。

膝周りのストレッチ

かかとをつけたまま膝を曲げ、しっかり曲がったところで保持します。
ストレッチの時間:5秒

太ももの裏側のストレッチ

ストレッチしたいほうの足を前に伸ばします(膝が痛い場合はクッションを敷きます)。
背筋をまっすぐに伸ばしたまま、上体を前に倒して姿勢を保持し、太ももの裏側を伸ばします。
バランスが悪いときは手を床につけましょう。
ストレッチの時間:30秒

ふくらはぎのストレッチ

前に出ている足の膝を曲げ、後ろ側のふくらはぎを伸ばします。このとき、かかとを床から離さないようにしましょう。
ストレッチの時間:30秒

太ももの内側のストレッチ

膝を少し曲げて外側へ倒し、太ももの内側を伸ばします。このとき、反対側の足はまっすぐになるよう意識しましょう。
ストレッチの時間:30秒

太ももの前側のストレッチ

伸ばしたい側の膝を曲げ、足首や足先をつかみます。かかとをお尻に近づけるように膝を曲げ、太ももの前側を伸ばします。このとき、反対側の足はまっすぐになるよう意識しましょう。
ストレッチの時間:30秒

膝関節を支えるための筋力トレーニング

次に、自宅でできる簡単な筋トレをご紹介します。トレーニング中、膝の痛みや疲労感を感じた場合はすぐに中止してください。

筋トレの方法は、強度低め・強度強めの2種類に分けて紹介しますが、強度強めは理学療法士や医師に相談してからおこなうようにしましょう。それぞれ3秒ずつ、1セット15~20回で、2~3セットが目安です。

筋トレもストレッチ同様、40代のうちからおこなうのがいいでしょう。こちらもやり方は年齢に関係なく同じなので、日々の運動に取り入れてみてください。

太ももの前側の筋トレ

伸ばしたいほうの膝の下にクッションを入れて座ります。膝を伸ばし、クッションをつぶすように膝裏を押しつけ、戻します。このとき、反対側の膝は立てるようにしましょう。

椅子に浅く腰掛け、両手で座面を握ります。膝がまっすぐになるまで足を持ち上げ、戻します。

太ももの外側の筋トレ

横向きに寝て、上の足を真上に持ち上げ、戻します。下の足は少し曲げてバランスをとりましょう。

四つ這いになり、片足を少し外側に向かって持ち上げ、ゆっくり下ろし胸のところまで引き寄せます。床についた膝が痛い場合は、クッションを敷きましょう。

太ももの裏側の筋トレ

仰向けになり、膝・お尻・胸が一直線になるように持ち上げ、戻します。膝は90度程度に曲げて立てましょう。

強度低めの動作を片足でおこないます。このとき、片方の足はまっすぐに伸ばしましょう。

足全体の筋トレ

両手をテーブルや椅子などに置き、身体を支えます。肩幅くらいに足を広げ、つま先は少し外側に向けます。
そのまま膝を曲げお尻を下ろし、元に戻します。このとき、背中が丸くならないよう背筋を伸ばしましょう。

強度低めの動作を片手で支えながらおこないます。

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