【第4回】暮らしに理学療法士の視点を:最適な福祉用具の選び方~立ち上がりに介助が必要な場合(後編)

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トイレ:改修のポイント

排せつはできればトイレでおこないたいものです。そのためには、トイレに車いすで行くことができ、移乗や介助がしやすい広さや手すりなどが必要です。

一般的な住宅のトイレでは狭すぎて、移乗や介助が難しい場合が多いため、トイレを広くしたり、段差をなくしたり、車いすが入れる扉に交換するなどの改修が必要です。現状のトイレを改修することができない場合は、寝室内の押入れをトイレに改修するなどの方法もありますが、給水や排水など大幅な水回りの工事を伴いますので業者さんとのしっかりとした打ち合わせが大切です。

どうしてもトイレの改修や新設ができない場合には、ポータブルトイレを使います。ポータブルトイレはベッドの横に置いて使うものですが、ご本人の座りやすさや移乗のしやすさ、介助者が排泄物を処分しやすいかなどをしっかりと検討しましょう。

最近では温水洗浄便座がついているタイプなどが多くなってきました。汚物の後始末にご本人や介助者が負担を感じることが多いため、汚物をバイオ等で分解する、直接下水に流すなどさまざまな方法が出ています。ご本人に合った方法を福祉用具専門相談員に相談してみましょう。

介護者の負担を考えて、日中はトイレ、夜間はポータブルトイレと使い分けることもできます。この場合には、ご本人も介助者も長期間でも負担のない方法をケアマネージャーなどと相談してください。

Bさんに必要なこと

Bさんは、Aさんと違って歩くことができません。車いすが動ける広さが必要ですが、車いすに乗ってしまえば、ある程度自由に移動できます。そのためには移乗のしやすさが重要です。介助者の負担が少なく、安全に毎日移乗できる方法を理学療法士とともに検討しましょう。

時折、退院に向けてご家族が「頑張ります!」というお言葉をおっしゃることがあります。その際には「頑張りは長続きしないことが多いので、頑張らずとも安全にいつでもできるようにしましょう」とお声掛けします。無理をせず普通に安全にできる環境や方法が大切です。

2回にわたり、座ることはできても、立ち上がりに介助が必要なBさんについて、適切な福祉用具と、困りごとの解決策をご紹介しました。Bさんは、福祉用具をうまく活用しながら介護者が要所要所で手助けをすることで、Bさんらしい生活を続けていくことが十分に可能です。いろいろな工夫を凝らしてみてください!

次回は、支えのない状態では座ることが難しいCさんを取り上げます。

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