【第2回】東日本大震災から10年~理学療法士として今伝えたいこと:ハザードマップの活用術

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ハザードマップや360度動画を作ってみたいと思ったら

まず、自分の地域の避難所・避難場所はどうなっているのか、以下のリンクからご自身の地域のハザードマップを探してみましょう。身近な場所の地図を見ると、もっとこの部分を見たい、あの場所はどうなっているか確かめたい、など具体的に知りたいことが思い浮かんでくると思います。

ハザードマップポータルサイト

それでは、「360度動画をご自身で作成する」「オリジナルマップを作成する」「地域と連携する」、という3つに分けて、ハザードマップを活用してさらに具体的な対策をおこなう方法をご紹介します。

360度動画の作り方

360度動画をご自身で撮影する方法をご紹介します。撮影で使用するのは、360度動画撮影機器(GoPro、Garmin、RICOHなど)です。これらは家電量販店やインターネットの購入サイトなどで簡単に購入できます。

撮影の留意点は、撮影開始前には事前に経路を下見して危険箇所(路面状況が悪く転倒しやすい場所)があれば、その周辺ではスピードを落としながら撮影することです。また、撮影時期も重要です。屋外の舗装されていない避難経路では夏場は雑草も多く茂っており、進行方向の避難経路が雑草で隠れてしまうことがあります。さらに夏場に撮影しようとすると虫刺されなども注意が必要です。そのため、雑草も枯れ、避難経路も撮影しやすく、虫刺されもない冬場が撮影に適しています。

これらの点に気をつけながら、ご自宅周辺の避難所・避難場所までの避難経路の撮影をおこなってみましょう。

避難場所の入口付近にて360度動画を撮影する様子

オリジナルマップを作成してみましょう!

撮影が難しいという場合は、Googleマイマップを使用してご自宅用に個人でオリジナルのマップを作成することができます。Googleマイマップは、通常のGoogleマップを使って、オリジナル地図を作成できるサービスです(下記参照)。それでは、ご家族専用のハザードマップの作り方をご紹介します。

Google マイマップ

作成の仕方

  • Googleマップを開いて、画面左上のメニューをクリック
  • 「マイプレイス」をクリックし、「マイマップ」を選択
  • 「地図を作成」をクリックし、新たに地図を作成
  • 「無題の地図」を作成したら、「ハザードマップ」など名前を付ける
  • 作成した地図で気になる地点を表示し、坂道に注意などタイトルを付けて保存。
    さらに、作成したマイマップを印刷して、前回の記事(第1回)でお伝えした段差、液状化、がれきといった障害物が、どこで起こりうるかも確認をして書き込んでおくとよいでしょう
【第1回】東日本大震災から10年~理学療法士として今伝えたいこと:災害時の車いす避難

地域との連携

最後に地域との連携についてのご紹介です。私たちの取り組みでも、現在、すべての方が避難所や避難場所の位置、避難経路の状況を理解しているところまでは行きついていません。

地域のハザードマップを充実させたいときは、まず、お住まいの地域の自治体の防災課などと一緒に、避難所や避難場所の認知に関する地域の課題を把握する必要があります。地域の自治体に提案して、撮影した動画を自治体が作成している防災マップ(Web上)に掲載できる場合もありますので、各自治体に相談をしてみましょう。

そして、声を掛け合って避難できるように、近くにお住まいの住民の方とも日頃からコミュニケーションを取っておくのも大切です。

いざという時、お互いが助け合うために

今回紹介した、360度動画を活用したハザードマップの視聴やオリジナルのマップの作成などを機に、お住まいの地域ではどうなっているかをぜひ確認してもらえたらと思います。作成したマップを持って、避難の練習をするのもよいでしょう。これらの取り組みが広がることで、読者のみなさんだけでなく、多くの要配慮者、避難行動要支援者(避難の際にサポートが必要な方)が避難する際の支援にも役立つと思います。

前回お伝えした車いすの避難方法と今回のハザードマップの活用術を活用して、ぜひ日頃から災害に備えておいてください。

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