【第1回】リハビリテーションの4つのステージとは~各ステージの理学療法士の役割~

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急性期とは?

急性期とは手術前や発症して間もない時期など最も医学的リスクが高い時期です。このステージでは、理学療法士は病状の安定や疾病の治癒を目的に、病態の急変などに対するリスク管理をしながら、理学療法をおこないます。重症の患者さんが24時間体制で治療を受けている集中治療室や病棟ごとに専属の理学療法士が配置されて、身体の機能が低下してしまわないように注意をしながらその後の順調な回復につなげます。

急性期の理学療法士の役割とは?

急性期の理学療法士の役割は、麻痺や痛みに対する治療、患部を保護するための正しい動かし方など日常生活の指導、手術後の管理などがあります。それだけでなく、廃用症候群の防止(筋力低下・関節が硬くなることの防止、呼吸機能の維持等)やポジショニング(床ずれの防止)、杖や装具等の使用方法の指導、できる限り早く退院できるようにプランを組むといったマネジメント業務などもあります。

回復期とは?

病気やケガの状態が安定した患者さんを対象に、可能な限りの機能回復や能力改善を目的に理学療法を提供する時期です。退院して自宅に戻ることや社会復帰を目指して理学療法士を含めた医療専門職がチームで集中的なリハビリをおこないます。

回復期の理学療法士の役割とは?

回復期の理学療法士の役割は、急性期の治療を終えた患者に対して、歩行や日常生活に必要な動作を獲得するための治療をおこなうことです。患者が自宅に戻った際に使用する手すり等の福祉用具の使い方の指導や、在宅環境に対する提案や介護をする家族への指導などの役割もあります。

維持期・生活期とは?

医療機関から退院した後ご自宅や施設などで、自己の能力を活用し、その人らしい生活と社会参加を実現する時期です。能力の維持と向上を図り、状態悪化、再発を防ぐことも重要になります。理学療法士は、運動方法の指導や住宅改修、福祉機器等の利用の提案などを通じてサポートをおこないます。また、できることや得意なことは一人でやってもらうといったその方の能力を活かした介助方法など、ご家族への指導もおこないます。

維持期・生活期の理学療法士の役割とは?

維持期・生活期では、獲得した動作が低下しないように身体機能の維持・向上とともに、日常生活の自立支援を図ることが理学療法士の役割です。また、仕事への復帰・社会参加、福祉用具選定・住宅改修、家族指導、病態悪化の予防など、元の生活に戻ってからの生活をサポートします。

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