誰もが自分らしく生活できる社会を目指して。「2022年度障がい者団体助成事業」募集開始

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公益社団法人 日本理学療法士協会では「協会の理念」に基づき、すべての方の健康と幸福に寄与するため、「障がい者団体助成」の対象となる団体を公募し、住み慣れた地域で自分らしく暮らすための活動を応援しています。

現在、2022年度の障がい者団体助成事業の募集をおこなっています。これまでに助成を受けて実施された事業のうち、2019年と2020年に採用された2団体の活動について振り返りながら、今年度の募集についてご案内します。

ロゴス点字図書館「見えない・見えにくい人のための点字教室」

「社会福祉法人 ぶどうの木 ロゴス点字図書館」は、“考える図書館”という理念のもと、視覚に障害のある方々へ、点字図書や録音図書の製作・貸し出しをはじめ、点字出版、視覚障がい者の生活相談などをおこなっています。視覚に障害のある方、活字読書の困難な方なら誰でも利用可能です。

ロゴス点字図書館は、一人でも多くの中途失明者が点字を学び、人生に再び希望を見い出して欲しいとの思いで、2011年から「見えない・見えにくい人のための点字教室」も開催。視覚に障がいのある方なら誰でも無料で受講でき、それぞれのステップに合わせた教材を使用しながら、同じく中途失明者である講師からマンツーマンで指導を受けることができます。点字を一つの入り口として、生活相談や居場所作りの役割も果たしています。

2019年には、日本理学療法士協会の障がい者団体助成事業の助成金を活用して、全24回の点字教室が実施されました。受講生は、最終的にはゆっくりと触読(点字などを指先でなぞって読むこと)ができるまでになったそうです。

「ロゴス点字図書館」よりメッセージ

受講者によって習熟度や点字を読むスピードはさまざまですが、皆さん熱心に学んでおられることに加え、講師のお人柄もあって、笑い声に溢れた和やかな雰囲気で毎回おこなわれています。また、受講者と同様に視覚に障害を持つ講師に、生活の中のちょっとした工夫やアドバイスを受けられることも、受講者の方々にとっては大変貴重な時間となっているようです。

今後も近隣の自治体をはじめさまざまな機関に積極的に働きかけ、新規受講者を増やしていきたいと考えています。

参照記事:【レポート&事業案内】見えない・見えにくい人のための点字教室開催!ロゴス点字図書館

無痛無汗症の会「トゥモロウ」

無痛無汗症はどんな病気?

無痛無汗症は遺伝性の難病で、2015年7月に指定難病として認定されました。文字通り身体の痛みを感じず、汗をかけないという病気です。また、神経発達症を併存しやすく、学習や就労に特別な配慮が必要です。ご本人は身体の異常をうまく表現できないことが多いため、周囲の人が細かいサインに気づいてあげる必要があります。

無痛無汗症の会「トゥモロウ」は、平成5年5月30日に設立された、世界で唯一の無痛無汗症の患者会です。無痛無汗症の治療法の確立、患者・家族のQOL(生活の質)の向上、社会への啓蒙などを目標とした活動をおこなっています。

2020年には、日本理学療法士協会の障がい者団体助成事業の助成金を活用して、無痛無汗症の周知のためのパンフレットを作成しました。患者数が少ない希少難病のため、国内唯一の患者会である「トゥモロウ」が病気の正しい理解と支援を求めることがとても重要です。

作成されたパンフレットは、病気についての詳細や日常生活で気をつけることなどがわかりやすく紹介されており、無痛無汗症について知識のない方々も手に取りやすい内容となっています。パンフレットは、患者や医療機関、教育機関などに配布される予定のほか、世界希少・難治性疾患の日(Rare Disease Day)に向けたイベントでも提供・展示を予定しています。

参照記事:【レポート&事業案内】無痛無汗症を多くの人に知ってもらいたい!無痛無汗症の会「トゥモロウ」
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