【後編】職業病を予防して健康に働き続けよう~今日から実践できる予防方法~
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皆さんは仕事中、いつの間にか前かがみになっていた、長時間パソコン作業で座りっぱなしだった、という状況になっていたことはありませんか。姿勢不良や座りっぱなしは、職業病を引き起こす可能性があります。
前編では産業保健の基礎知識、中編では職場で実施できる予防活動と入院となってしまった場合の注意点をご紹介しました。後編となる今回は、今日から個人で実践できる作業環境のチェックポイントや体操などの予防方法をご紹介します。
職業病を予防して健康に働き続けよう
姿勢・作業環境に対する予防活動
仕事などで長時間同じ姿勢を続けると背骨にかかる力のバランスが崩れ、筋力低下や猫背が進み、首や腰の痛みの原因となります。予防のためには、自分にあった良い姿勢を保つ意識を持つことと、環境を調整することが重要です。
デスクワークや車を運転する仕事など、椅子に座る時間が長い方は、次のポイントを参考に姿勢や作業環境を調整しましょう。
作業環境管理の視点:クッション等の腰当てで環境調整
作業管理の視点:長時間の作業を避ける、作業姿勢の注意点
【ポイント】
- 前傾姿勢を避ける
- 長時間同じ姿勢をとらない
- 机や椅子の高さを調整する
- クッション等の腰当てで調整する
なお、VDT(Visual Display Terminals)を用いた作業をする際も、職業病予防の観点において作業環境を整えることが重要となります。
モニターの高さや肘の角度など、より具体的なパソコン作業時の作業環境チェックポイントを確認したい方は、下記のリンクより、日本理学療法士協会の「理学療法ハンドブック」シリーズ15 産業分野の予防(P10)をご覧ください。
また、理学療法士は、人間工学の知識をもとに、姿勢評価に関するアドバイスをすることができます。お困りの際はぜひ、理学療法士に相談してみましょう。
座り過ぎや動作に対する予防活動
最近では、長時間座り続けることで寿命が短くなることが報告されています。1日の座位行動時間が11時間を超える長時間になると、短時間(0~1時間)の層と比較すると死亡する危険度は1.4倍になります(出典:厚生労働省「座位行動」より)。作業中は、こまめに姿勢を変えることや運動を取り入れるようにしましょう。
また、前かがみや中腰、体をひねるなどの不良姿勢で作業をおこなうと、腰痛の原因となります。不良姿勢での作業を避け、負担のかからない動作方法を知ることが大切です。
作業管理の視点:作業姿勢の注意点
【ポイント】
- 対象物を身体に近づける
- 重心を低くする
- 身体のひねりを少なくする
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