【助成事業・前編】2023年度障がい者団体助成事業紹介~障害があっても自分らしく暮らせる社会を目指して〜社会福祉法人 茨城県視覚障害者協会、和歌山県中途失聴・難聴者協会
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公益社団法人 日本理学療法士協会は、「2023年度障がい者団体助成事業」を実施し、助成対象として5団体を採用しました。
「障がい者団体助成事業」は、国民の皆様が住み慣れた地域で安心して生活できる社会を構築することを目的におこなわれている取り組みです。日本理学療法士協会では、協会の理念に基づき、すべての方の健康と幸福に寄与するため、障がい者団体助成の対象となる団体を公募しその活動を応援しています。
前編となる今回は、採用された5団体の中から2団体の活動と採択された助成事業についてご紹介します。この記事を機に、障害や障害のある方々の暮らし、それを支える方々の活動について知っていただき、考えていただけたらうれしいです。
【特集】2023年度障がい者団体助成事業紹介
社会福祉法人 茨城県視覚障害者協会のご紹介
視覚障害者の自立と社会参加の実現を目指す団体
社会福祉法人 茨城県視覚障害者協会は、「視覚障害者の自立と社会参加の実現」を目標として活動している団体です。1973年に社会福祉法人の認可を受けましたが、その歴史は1932年4月に県内在住の視覚障害者を中心に結成された「茨城県盲人協会」にまで遡ります。90年以上にわたり、視覚障害者の福祉向上のために活動してきた長い歴史があります。
現在は、視覚障害者の歩行移動の自由、情報保障(情報の取得利用、意思疎通など)、職業の安定などの課題に積極的に取り組み、視覚障害者も安全で安心して生き生きとした社会生活を送ることができる、共生社会を目指して日々活動を続けています。
見えない方・見えにくい方のための福祉機器展を開催したい〜採択事業について〜
「2023年度障がい者団体助成事業」では、「見えない方・見えにくい方のための福祉機器展」の事業が採択され、開催に向けた広報物制作や配布、当日の運営などがおこなわれました。
当日は、会場に14の企業・団体のブースが出展し、見えない方・見えにくい方の日常生活や社会参加に役立つ福祉機器の展示、説明などがおこなわれました。視覚障害者やご家族、教育関係者など、約200人が来場し、メガネ装着型の読上げ器、パソコンの画面を音声で読み上げるソフト、録音・再生のデイジー機器など、AIやICTを利用したさまざまな製品が紹介され、使い方のレクチャーがおこなわれました。来場者を対象としたアンケートでは、次回以降の開催の期待が寄せられました。
和歌山県中途失聴・難聴者協会のご紹介
難聴者や中途失聴者の方の交流、情報交換をおこなう団体
和歌山県中途失聴・難聴者協会は、1981年1月15日に創立された、和歌山県内在住の難聴者及び中途失聴者のための団体です。(一社)全日本難聴者・中途失聴者団体連合会に加盟していて、全国的な会議やブロック会議などに参加し、情報交換や意見交換などを実施しています。
また、和歌山市立社会福祉施設ふれ愛センターで月例会を開催していて、各種イベント(忘年会、新年会、日曜教室、研修旅行等)をおこなっています。会報誌「くろしお」も毎月発行、県や市のイベントにも積極的に参加し、聴覚障害への理解を求める活動を展開しています。
聴覚障害者と社会とのコミュニケーション活性化の為の「ノートラブル」普及活動をおこないたい〜採択事業について〜
「2023年度障がい者団体助成事業」では、聴覚障害者と社会のコミュニケーション活性化のための「ノートラブル」普及活動が採択されました。「ノートラブル」は、聴覚障害者とのコミュニケーションを円滑にする支援に役立つ、卓上カレンダー式の筆談具です。
「ノートラブル」は和歌山大学経済学部の「ライクアス」のメンバーが開発したツールです。商品開発にあたっては、和歌山県中途失聴・難聴者協会が当事者として意見を出して、参考にしていただいた経緯があります。
助成金を活用して、施設や店舗など、合計115ヵ所に「ノートラブル」を配布し、今後さらに58ヵ所に配布予定です。中途失聴者や難聴者の方たちには、聞こえない・聞こえにくいことで社会から阻害されるストレスを感じたり、危険から身を守ったりすることに困難を抱えている状況があります。「ノートラブル」の普及活動は、聴覚障害者の方へのコミュニケーション支援が広がる一助となりました。
※この記事は2024年9月18日時点での情報で作成しています。
※この記事は、以下を参考に作成しています。
社会福祉法人 茨城県視覚障害者協会 ホームページ
和歌山県中途失聴・難聴者協会 ホームページ
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