【後編】腰痛と上手に付き合う方法 職場でのリスクにも注意を。仕事中にできる腰痛予防
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タイプ別!腰痛予防方法とは?
続いて、仕事中の姿勢や動作、環境などを見直すことによってできる腰痛予防方法についてご紹介します。
物を持ち上げるときの姿勢・動作を見直す
重量物の運搬や介護・看護職に多くみられる「物を持ち上げるときの姿勢・動作」。対象物を身体に近づけ、重心を低くし、体のひねりを少なくすることで腰に負担のかからない姿勢にすることができます。
椅子に座るときの姿勢・動作を見直す
デスクワークや運転職に多くみられる「椅子に座るときの姿勢・動作。前傾姿勢を避け、長時間同じ姿勢をとらないことがポイントです。また、机や椅子の高さを調整し、必要であればクッションなどの腰当を使用し、負担のかからない姿勢を心がけて工夫することが大切です。
作業環境を見直す
姿勢や動作だけでなく、作業環境も腰痛の原因につながっています。作業環境を見直すことで腰痛予防につながりますので、以下の内容今一度確認してみてはいかがでしょうか。
職場でも腰痛体操が効果的!「これだけ体操® 」に取り組もう
前回の記事でもご紹介した、立っておこなう「これだけ体操®」は職場でも簡単におこなうことができます。
これだけ体操®
足を肩幅より広めに、つま先を真っ直ぐ前に向けて開きます。指先を下にして手の平をウエストラインの位置より少し下に当てます。このとき小指側がそろうとよりよいでしょう。
膝は伸ばしたまま、じっくりと胸を開きながら両肘を内側に寄せると同時に、腰の下の部分(骨盤)を手でしっかりと前へ押し込みます。
その際、顎を軽く引いて、目線は斜め30度です。そして息を吐きながらつま先重心で踵が浮くか浮かない程度で粘りましょう。
※kemp徴候(しびれや放散通など)が出る場合はおこなわないでください。
介護士を対象とした「これだけ体操®」の効果の調査によると、介入しなかった人たちに対し、介入した人たちは1年後腰痛が改善したケースが多くみられました。また、介入した人たちよりも介入しなかった人たちのほうが悪化していることがわかります。
腰痛対策の実行度では、介入した人たちは約8割実行していたのに対し、介入していない人たちは約9割実行していませんでした。
仕事のタイプに合った腰痛対策を
業務上疾病に一番多い腰痛は、姿勢・動作要因、環境要因に分かれており、姿勢や動作を工夫し作業環境を見直すなど対策することで、予防できることがわかりました。
また、「これだけ体操®」は仕事場でも手軽におこなうことができ、しっかりと効果も得られるのでぜひ試してみてください。
厚生労働省でも「職場のあんぜんサイト」を設け、腰痛だけでなく労働災害を防ぐための広報活動をおこなっています。前かがみ、中腰、ひねりといった状態が腰痛につながりやすいので見直しを、といった内容の動画を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
3回にわたって紹介してきた腰痛と上手に付き合う方法、いかがでしたでしょうか?
自分に合った対策を見つけ、上手に向き合うことで腰痛が改善されるので、ぜひ今回の記事や今まで連載で紹介してきた体操などを参考にしてみてください。
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