【第4回】シカクの人物図鑑 下田栄次さん:大学で教鞭を取りながら、災害リハビリテーション支援や山岳救助に尽力する理学療法士

山岳救助隊の夏期合同訓練に参加する下田栄次さん(左)と、同じく隊員で山の大先輩でもある澤田敦さん(右)
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災害リハビリテーション支援を教育として確立させたい。下田さんのこれから

今後、大学教員として、また災害支援活動の一環として、やりたいことは何ですか?

下田さん:東日本大震災以降、災害リハビリテーション支援(災害時における理学療法)について取り組んできました。この領域を、看護師や臨床検査技師、薬剤師のように確実に後世に残していきたいです。

短期的には、学術的な領域として卒後教育(理学療法士免許を取得した後に取り組む教育のこと)に組み込んでいきたいと考えています。長期的には、例えば「災害理学療法学」のような学問として基盤を構築し、卒前教育(免許取得のためにおこなわれる養成校などでの教育)から、ごく当たり前のように災害と理学療法について学習してもらえるようなシステムを、教育の中に組み込んでいきたいです。

最後に、下田さんの将来の夢を教えてください

下田さん:プライベートな話になりますが、毎年参加しているトレイルランニング(登山道を走る競技)のレースが今年は軒並み中止となり、ランニングに対するモチベーションもなかなか維持することが難しかったんです。ところが先日、アメリカで最も歴史と伝統のある100マイルトレイルランニングレース「ウエスタンステイツ・エンデュランスラン」と同じグループのレース(100miles to AUBURN 2020 Endurance Run)が、バーチャルレースを開催するということで、私も参戦し、完走することができました。

将来は、もうすぐ3歳になる娘と一緒に、UTMB(ウルトラトレイル・デュ・モンブラン:100マイル・トレイルランニングの世界選手権)に参加して完走するのが夢です!

おわりに

シカクの人物図鑑第4回は、理学療法士として大学で指導をする傍ら、災害支援やその啓発活動、山岳救助、そして趣味のトレイルランニングと、さまざまな分野で活躍している下田栄次さんを特集しました。

地震や水害が多発し、私たちの防災意識が高まるなかで、新たにCOVID-19の問題も出てきました。理学療法士の知識と経験を、災害などに直面した状況でどのように役立たせることができるのか。下田さんが強い責任感と信念を持って挑戦されている災害リハビリテーション支援を知っていただくことで、私たちの意識と行動も変わっていくのではないでしょうか。

下田さんには9月1日の防災の日にちなみ、災害時の新型コロナウイルス感染症予防や、避難所で気をつけるべきこと、事前に準備しておくべきことなどについてご寄稿いただく予定です。8月下旬よりリガクラボにて掲載いたしますので、ぜひご期待ください。

シカクの人物図鑑では、引き続き理学療法士の資格をお持ちの方のお仕事や、活動についてご紹介していきます。次回もお楽しみに。

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