第9回「笑顔をあきらめない。」写真コンテスト 受賞作のご紹介

タイトルとURLをコピーしました。
    1 2

公益社団法人 日本理学療法士協会では、理学療法の日(7月17日)にちなんださまざまなイベントを実施しています。「笑顔をあきらめない。」写真コンテストもそのひとつとして、今年で9回目の開催を迎えました。

日本理学療法士協会は「笑顔をあきらめない。」をキャッチコピーに、病気や加齢などの何らかの理由により身体の障害や生活に支障が生じた場合でも、その人らしい生活が送れること、また、当事者やそのご家族の前向きな気持ちをサポートできる地域社会を築くことを目指しています。

その思いや活動をご理解いただき、活動の輪を広げるため、「笑顔をあきらめない。」をメインテーマに据えた写真を全国から募集しました。コロナ禍にもかかわらず、今年は去年よりも多い149作品のご応募をいただきました。たくさんのご応募をありがとうございます。

想いが伝わる優秀作品の一部をここでご紹介いたします。

最優秀賞

タイトル:義足で歩む人生(作者:義足ウォーカー様)

僕は16歳のときに交通事故に遭い、両足を付け根に近い部分から切断しました。右足は11センチメートル、左足は5センチメートルしか残りませんでした。

当時2回トライした義足リハビリは失敗に終わりました。それでも歩くことをずっと諦めきれず、事故から23年後に再挑戦。およそ8ヵ月のリハビリを経て、義足歩行を獲得することができました。足を切ってからずっと思い描いていた義足生活には至りませんでしたが、今では義足が、リハビリが、僕の生活の一部となっています。僕のような極短断端の両大腿切断という厳しい条件でも、歩くことができると証明し続けていきます。

これから義足で叶えたい夢は、大きくなった娘と手を繋いで歩くことです。

優秀賞

タイトル:年の差、90歳!(作者:しょうさん様)

ひ孫とのツーショット写真。祖母は96歳で、耳が遠く、軽い認知症です。しかし、ふたりのトークは、年の差、ソーシャルディスタンスを超えて、笑顔になれるガールズトークのようです。

今ではコロナ禍で、ビデオ音声での画面越しからの会話ですが、この写真を見るとお互いにふと、今でも笑ってしまうそうです。

タイトル:ひとの情けがわかった 生きていてよかった(作者:内藤 幾愛様)

慢性閉塞性肺疾患で入院治療の後、在宅酸素療法を導入し、奥さんと息子さんの待つ家に帰った。訪問診療の医師、訪問看護師、ケアマネジャーが関わり在宅生活を支援した。病状悪化によりベッド上での安静期間がしばらく続いた。右上下肢の拘縮は進み、原因不明の痛みも伴い、オムツ交換は「痛い痛い」、食事はギャッチアップ(※1)約20度で食器も覗けない状態だった。

訪問看護師からの相談で訪問理学療法士も在宅生活支援の仲間入り。理学療法士の私が直接関われる時間は週1回40分のみ。“リハビリとは何か?”朝のお経で肺機能練習、食事のギャッチアップで股関節の可動域練習。週2回の訪問看護師のケアに端坐位(※2)を。これが生活の中での“リハビリ”の力。動かせなかった右足がベッドからセンチメートル持ち上がる。「痛ーい!」が「もう一度歩きたい!」に変わる。

「初めまして」から約1年、ベッド生活から約2年。10分間だけど外の空気を満喫できたこの日。息子さんがシャッターを切った。

※1 ベッドの角度を変えて起き上がる角度を調整すること
※2 床にかかとをつけた状態でベッドに腰かける姿勢

その他の優秀作品は協会公式サイトでご確認ください。

日本理学療法士協会「第9回「笑顔をあきらめない。」写真コンテスト
次へ:助け合いの大切さを感じる機会に
    1 2