【第14回】理学療法士のオススメ書籍&一覧 「大切な人に向き合う人々の葛藤を描いた物語2冊」

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リガクラボでは、全国の理学療法士のみなさんから「みんなに薦めたい書籍、薦めたら好評だった書籍」を募集し、毎回テーマに沿ったオススメの書籍を紹介しています。

第14回となる今回のテーマは「大切な人に向き合う人々の葛藤を描いた物語2冊」です。

それでは早速、一冊目の本をご紹介します。

妻の家路

著者: 千駄木 遊
出版社: 文芸社

書籍の概要

※概要は、公式サイトからの引用・抜粋となります。

「妻よ聴こえているかラルゴの調べが」10万人に一人といわれる難病に苦しみ、生きることへの絶望と未練のはざまで感情の起伏の激しい女に変わっていく妻。いつあなたを襲うかもしれない明日の現実。今世紀、まもなく迎える超高齢社会前夜の深部を鋭くえぐる、平凡で幸せな夫婦に突然訪れた妻の難病という暗雲を、ある夫婦の老々介護の記録をもとに描いた迫真のドキュメンタリーノベル。

オススメする理由

ペンネーム:東埼玉のたなぼた さん

患者の家族の視点で在宅生活を送ることの難しさや、患者本人の苦しさ、それを支える家族の悩みが書かれていて、患者さんとの関わりを改めて考えさせられた一冊だから。

【リガクラボ編集部より】

平凡な日常を送る老夫婦に突然訪れた「妻の難病」。ある夫婦の介護の記録を元に、難病に向き合う妻と介護をする夫、それぞれの苦悩が細やかに描かれています。

超高齢社会の日本にとって、介護は誰もがいつ当事者になるかわからない問題です。特に高齢者同士の介護は、体力的・精神的に負担が大きく、介護をする側もされる側も疲弊してしまうことが多いとされています。

もしかすると、あなたの周りにも同じような体験をしている人がいるかもしれません。大切な人に向き合うこと、介護問題、夫婦の絆…様々なことを考えさせられる作品です。

続いて二冊目はこちら。

レナードの朝

著者: オリヴァー・サックス
翻訳: 春日井 晶子
出版社: 早川書房

書籍の概要

※概要は、公式サイトからの引用・抜粋となります。

20世紀初頭に大流行した脳炎の後遺症で、言葉や感情、体の自由が奪われてしまった患者が、奇跡の新薬L-DOPAの投与によって目覚める。しかし体の機能回復に加え、人格まで変貌してしまうという怖い副作用が……。

レナードら20人の症例とそれに誠実に向き合う脳神経科医サックス博士の葛藤を、人間味あふれる筆致で描く。1970年代の初版以降、演劇や映画化でも世界を感動させた不朽の名作の新盤文庫化。解説/中野信子氏

オススメする理由

ペンネーム:すけ さん

患者の描写が非常に深くて幅広く、著者の観察能力の高さが伺えます。科学と文学と哲学が見事に調和して生まれた傑作だと思います。

【リガクラボ編集部より】

脳神経科医の著者によって、新薬投与前後の患者の症状が事細かに記されています。

新薬の投与は、患者の身体の機能が回復する一方で、患者によっては副作用が現れる場合もあります。新薬治療に対する医師の葛藤が感じられます。

何十年も治療は不可能とされてきた患者たちが、ある薬によって救われ苦しむ様と真摯に向き合う医師の姿が印象的な作品です。

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