【第17回】理学療法士のオススメ書籍&一覧 「過去の歴史から新しい考えを探してみよう!歴史から学ぶ2冊」

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リガクラボでは、全国の理学療法士から「みんなに薦めたい書籍、薦めたら好評だった書籍」を募集し、毎回テーマに沿ったオススメの書籍を紹介しています。

読者の皆さんの健康に役立つ、そして身体や命について考えるきっかけになるような書籍を、理学療法士の視点でピックアップしていきます。

第17回となる今回のテーマは「過去の歴史から新しい考えを探してみよう!歴史から学ぶ2冊」です。

それでは早速、一冊目の本をご紹介します。

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

著者: ユヴァル・ノア・ハラリ
翻訳: 柴田 裕之
出版社: 河出書房新社

書籍の概要

※概要は、公式サイトからの引用・抜粋となります。

国家、貨幣、企業……虚構が他人との協力を可能にし、文明をもたらした!
ではその文明は人類を幸福にしたのだろうか?
現代世界を鋭くえぐる、50カ国以上で刊行の世界的ベストセラー!

オススメする理由

名前:匿名希望

今から30年ほど前に読んだある本の中に、「人間の赤ちゃんはネズミよりも未熟な状態で産まれる」と記載されていました。動物が好きな私は、その理由が知りたくてさまざまな本を読みましたが、なかなか答えにたどり着けずにいました。

そして、数年前にやっと納得のいく本に出合ったのです。この本に書かれていたその理由は「ヒトが4足歩行から2足歩行になったことに由来する」という思いもよらないものでした。さらに、赤ちゃんが未熟なまま生まれるということによって、人類の生活そのものが大きく変化していったことが書かれていて大変興味深い内容でした。

【リガクラボ編集部より】

イスラエルの歴史学者 ユヴァル・ノア・ハラリ氏による『サピエンス全史』は、2011年にイスラエルで出版され、2014年には英語版、そして2016年には日本語訳が出版された世界的ベストセラーの歴史書です。

ホモ・サピエンスの起源に始まり、石器時代から21世紀までの人類の進化史を俯瞰した大作で、読み進めるうちに現代社会が抱えるさまざまな問題に気づかされます。

「文明が発達するほど、我々は不幸になっていく。なぜならその文明は『虚構』の上にもたらされたからだ」という著者の言葉は、戦争や地球環境の破壊などの問題に直面する今を生きる私たちの胸にも響きます。文明とは?人間とは?命とは…?多くのことを考えるきっかけになるかもしれません。

続いて二冊目はこちら。

名君の碑(いしぶみ)

著者: 中村 彰彦
出版社: 文藝春秋

書籍の概要

※概要は、公式サイトからの引用・抜粋となります。

将軍家光の異母弟として悲運の生をうけながら、忠勤と民への慈愛身をつくした、この稀有なる会津藩主の歩んだ清洌な生涯を辿る

オススメする理由

ペンネーム:クロブチメガネ さん

徳川幕府二代将軍徳川秀忠の落胤であり、三代将軍家光と四代将軍家綱を輔佐(ふさ)し、幕閣に重きをなして民のための治世をおこなった保科正之(会津藩初代当主)の生涯を描いた作品です。

常に民の生活を念頭におき、感謝の気持ちを忘れず、当時にあって今で言う自助から公助までを根づかせようとした政治は、社会福祉や年金制度の始まりといえるものです。

民のための政治は清廉な心から誕生すると思わされる一冊。何度読み返しても精神が洗われる名著だと思います。

【リガクラボ編集部より】

保科正之は、江戸時代屈指の名君の一人に数えられる人物です。しかしどんな人物かを詳しく知る人は、あまり多くないかもしれません。戦国の世を抜けきれない江戸時代初期に、保科正之は戦にお金をかけるのではなく、民のための政策をおこないました。

今の日本では福祉制度や年金制度が整備され、いざというときは医療や福祉など何らかの支援を得ることができます。しかし江戸時代では「公助」という概念はなく、そんな時代に保科正之は“日本初の年金制度”を作ったそうです。

「民のための政治」を実現した保科正之の生きざまから、人のために何かをすることの大切さ、個々の命の尊さ、そして実行するエネルギーの強さを感じ取ることができるでしょう。

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