【後編】知ることから始めよう!自分でできる尿漏れ改善法

タイトルとURLをコピーしました。
    1 2

尿漏れは、無意識に尿が漏れてしまう症状のことをいいます。尿漏れは、様々な症状やタイプがあり、症状によっては日常生活にも影響を与えます。

前編では、尿漏れが年齢に関係なく誰にでも身近な症状であることや原因、対処法などをお伝えしました。

後編である今回は、さらに詳しく尿漏れの予防方法や実際に症状が改善されたエピソードなどを理学療法士の岩田先生にうかがっていきます。

尿漏れの対策の次は、尿漏れの改善に取り組もう!

日常的に尿漏れが起きて、改善しない方は、どこで誰に相談をすれば良いのでしょうか。

岩田先生:まずは泌尿器科を受診して尿失禁のタイプを明らかにすることが重要です。その上で尿漏れの改善に取り組んでいただきたいです。

医療機関の受診が難しい場合、医学的なアドバイスを受けることは難しいと思いますが、電話相談窓口に相談する方法もあります。排せつについて悩んでいる人の支援活動に取り組む団体やおむつメーカーが設けている相談窓口に悩みを相談してはいかがでしょうか?

相談することで、気が楽になることもありますし、受診しようという踏ん切りもつくかもしれません。

日本コンチネンス協会「排泄の困りごと110番 相談窓口」:電話番号:0570-05-1145
ユニ・チャーム「ユニ・チャームいきいきダイヤル」0120-041-062

今日からできる尿漏れ予防!

自分でできる尿漏れ予防や改善のための運動を教えてください。

岩田先生:先に述べた通り、まずは泌尿器科を受診して尿失禁のタイプを明らかにしてほしいですが、「骨盤底筋トレーニング」は女性の尿失禁治療の第一選択で、継続すれば効果が得られることが多いです。

リガクラボで過去の記事※1で紹介されたり、私が所属する日本ウィメンズヘルス・メンズヘルス理学療法研究会でも動画2を紹介したりしていますね。ただし、骨盤底筋の収縮方法などわかりにくいところがあるので、専門家に動作を確認してもらいながら実施するのが望ましいです。

あとは、切迫性尿失禁のような頻尿で膀胱に十分な量の尿を溜められない場合は、尿意を我慢し、排尿間隔を引き延ばす「膀胱トレーニング」という方法もあります。

1 過去の記事に骨盤底筋トレーニングを紹介した記事もございますので、合わせてご参照ください。

【第3回】健康寿命をのばすために〜腹圧性尿失禁の予防と対策

2 「新型コロナウイルスによる生活不活発病に対するアプローチ」の対応として作成された動画です。

尿漏れを予防するために日常生活で気を付けた方が良い行動や工夫はどのようなものがありますか。

岩田先生:体重増加、BMI(ボディマス指数)と尿失禁との関係性が報告されています。減量で膀胱への圧迫や骨盤底筋への負担が減ることで尿失禁が改善されるケースもありますので運動や食事は大切です。

この記事は202419日時点での情報で作成しています。
この記事は以下を参考に作成しています。
International Consultation on Incontinence 6th edition (2017) Chapter 12: Adult Conservative Management日本語訳(日本ウィメンズヘルス・メンズヘルス理学療法研究会ホームページ)

またカフェイン、カリウムなどの利尿作用のある飲み物にも注意が必要ですし、飲水量が多すぎるとその分トイレの回数は増えますので、適切な水分摂取量を意識しましょう。排尿日誌の活用もお勧めします。1日の排尿時間、排尿量、排尿回数などを可視化することで自身の膀胱機能を把握できます。

実際に行動や工夫など気を付けたことで尿漏れの症状が軽減、改善した体験談はありますでしょうか。

岩田先生:私が勤めていたデイサービスで、体力面と頻尿の不安から、長距離外出ができていない通所介護利用者に対して、排尿日誌と残尿測定をおこないました。自身の膀胱機能を理解したうえで、さらに骨盤底筋トレーニングと筋力増強運動を実施したことにより、外出への自信に繋がったケースです。排せつの問題によって、外出制限を余儀なくされ、生活の質が低下している方は多いと思いますが、紙パンツを含む適切な福祉用具も上手に活用していただきたいですね。

私が勤務するユニ・チャーム株式会社でも排尿日誌を紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください。

詳細はこちら(ユニ・チャーム株式会社ホームページ)

QOL(生活の質)の向上へ。岩田先生からのメッセージ

排せつの問題は虫歯と同じで予防が大切です。放ったらかしにすれば悪化してしまいますが早期治療で治ります。多くの方が同じような問題を抱えていますので、まずは信頼できる方へ相談してみてください。

次へ:おわりに
    1 2