【第3回】現役理学療法士の声をご紹介!〜若手理学療法士がやりがいを感じたエピソード:回復編〜

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超高齢社会の中、その需要も年々高まっている“理学療法士”という仕事。その需要に応えて、今では毎年約1万人の理学療法士が誕生しており、日本理学療法士協会会員の約32%を20代が占めています(2025年3月末時点最新)。
読者のみなさんの中にも、理学療法士を目指している方やお子さんが理学療法士に興味を持っている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、リガクラボでは、20代の若手理学療法士を対象にアンケートを実施しました。理学療法士としてのやりがいや悩み、目指したきっかけ、憧れの人などの質問に対し、300人を越える多くの方から、ご回答をいただきました。
今回は、そのアンケート結果をご紹介する企画の第3回目となります。今回は、心に残る回答が集まった「やりがいを感じたエピソード」の中から、「患者さんの回復」に関するものを中心に、若手理学療法士の声をお届けします!
【特集】現役理学療法士の声をご紹介!
やりがいを感じたエピソードとは?
患者さんとのやりとりや利用者さんに言われてうれしかったことなど、印象に残っているエピソードを伺いました。
※以下、( )内はペンネームです。また、回答は内容が変わらない範囲で編集しています。
患者さんの回復が喜びに
- 脳出血で重度の麻痺のあった方が、退院時には車椅子自立レベルまでADL(※1)が向上し、「リハビリ頑張ってよかった」とうれしそうに話されたこと。(シュウ)
- 入院中、ベッドから起きることができず「死にたい」と言っていた患者さんが歩けるようになり、退院したこと。(匿名希望)
- 人工股関節手術を受けられた患者さんのリハビリを担当していた時、「階段を登れるようにしたい」とのホープを達成できた瞬間は、自分のことのようにうれしかったです。(サク)
- 運動発達遅滞のお子さんが初めて歩くところを保護者の方と一緒に見られた時。(匿名希望)
- トレーナーとして関わる高校テニス部で、エースだった男の子が大会の1週間前に足首を捻挫してしまいました。受傷後すぐに直接連絡をくれて、試合まで当日も含め毎日サポートさせてもらいました。その大会の団体の部で、彼は決勝戦のエース対決を制して優勝!当時現場に出るようになって間もない私を頼ってくれて、感動の結果まで残してくれた彼には、本当に感謝しています。(PT Bob)
- 左半身麻痺を呈した若い女性の患者さんのエピソードです。お子さんがいらっしゃることもあって、「早く良くならないと」と、とても意欲的にリハビリに取り組まれていましたが、重度の麻痺で思うように身体が動かないジレンマとの闘いでした。その中で身体の動かし方を細かく丁寧に噛み砕いて一つずつリハビリをおこなっていくと、とても順調に回復が進みました。そして回復期のリハビリに移られ、その後、自宅復帰できました。通院の際にリハビリ室に来てくださり、「先生が熱心に教えてくれたから、今は子どもと楽しく過ごせています」と言われ、一生懸命おこなって良かったと思いました。(匿名希望)
※1:食事や排泄、移動など、日常に必要な最低限の動作のこと。日常生活動作。
関わった患者さんの回復を心から喜び、それをモチベーションに変えていく、若手理学療法士たちの熱意が感じられるエピソードが集まりました。
患者さんが理学療法士を目指してくれた
- 自分の学んだこと、考えたことが、患者様に当てはまり、治療が上手くいったこと。自分の担当していた高校生の患者様が、同じ理学療法士を目指してくれたこと。(匿名希望)
- スポーツ外傷で骨折した女子中学生を2度リハビリしました。2回目(中3)の時に「リハビリ職は男の人が多いと思っていたけれど、女の先生1人(他職員は全員男性)でやっているのがかっこいいと思った。将来の夢がまだ特になかったけど、自分も理学療法士を目指したいと思った」と言ってくれました。実は、私自身が理学療法士を目指したきっかけも同じでした。いざ、自分がそう言われるとすごくうれしかったです。(リハビリ中のPT)
若い患者さんたちの心を動かす、理学療法士たち。プロフェッショナルとして患者さんに寄り添った結果が、未来の理学療法士を育んでいくなんて、素敵ですね。
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