【前編】スポーツと理学療法~ブレイキンで人々を魅了する河合来夢選手インタビュー~
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ブレイキンという競技を、皆さんはご存じでしょうか?2024年に開催されるパリ五輪で追加種目となったことで注目を集めている競技ですが、日本国内でも多くの選手が世界を舞台に活躍しています。
編集部は、ブレイキンの選手である河合来夢(かわいらむ)さんが理学療法士のメンテナンスを受けているとのお話を聞いて、河合来夢選手とサポートをした理学療法士のお話を伺いました。
前編ではブレイキンという競技の紹介とその選手である河合来夢選手のインタビュー、後編では理学療法士のスポーツ選手への関わりについて、河合選手をサポートする理学療法士の先生方のインタビューをお届けします。
【特集】スポーツと理学療法
ブレイキンはどんなスポーツ?
ブレイキンはブレイクダンスとも呼ばれる、音楽にのせて身体のあらゆる部分を使い、回ったり、跳ねたりとアクロバティックな動きを取り入れたダンスです。1970年代にニューヨークのブロンクス区で生まれた都市型ダンススタイルで、その背景にはヒップホップ文化があります。ストリートで始まったブレイキンは、1957年に設立された世界ダンススポーツ連盟(WDSF)の種目となりました。
そして、夏季ユースオリンピック ブエノスアイレス2018では個人種目2種目と混合団体種目1種目が、オリンピック種目としてデビューを果たしました。この大会で混合団体部門・女子部門で優勝し、金メダルの栄冠に輝いたのが、今回お話を伺う河合来夢選手です。
この大会でブレイキンの人気を目の当たりにしたパリ2024組織委員会は、オリンピック種目として採用することを提案しました。そして、2020年に国際オリンピック委員会(IOC)は、「第39回夏季オリンピック競技大会 パリ2024」(以下、パリ2024)のプログラムに組み込むことを承認しました。
パリ2024は、2024年7月26日(金)から8月11日(日)の日程で開催され、ブレイキンは、8月9日(金)と10日(土)に競技がおこなわれる予定です。男子と女子の2種目で構成され、16人のアスリートがソロバトルを繰り広げます。大会でどのような闘いが見られるのか、今から楽しみです。
日本を代表するBGIRL!河合来夢選手にインタビュー
ブレイキンでは選手のことを、男性は“BBOY(ビーボーイ)”、女性は“BGIRL(ビーガール)”、または“ブレイカー”と呼びます。河合来夢選手は、日本を代表するBGIRLの一人として、現在、文京学院大学人間学部児童発達学科に通いながら、世界的に活躍されています。
大学生とアスリートを両立しながら日々奮闘している河合選手に、ブレイキンの魅力や理学療法との関わり、現在抱えている身体的な課題などについて、いろいろな質問をさせていただきました。
河合選手は、どのようなきっかけでブレイキンを始められたのでしょうか?また、始められてから今日まで、特に印象に残った試合やパフォーマンスなどがあれば、教えていただけますか?
住んでいた家の近くにダンススタジオがあり、5歳の時にそこに母が連れていってくれたことがブレイキンを始めたきっかけです。
印象に残っている大会は、16歳の時に行ったアジアユース大会です。一日を通して過酷な試合ばかりでしたが、自分自身が終始楽しむことができ、気持ちよく踊れたのでとても印象に残っています。
ブレイキンはパリ2024でオリンピック種目に正式に採用され、注目を集めていますよね。長年第一線で活躍されてきた河合選手が思う、ブレイキンの魅力について教えてください。また試合の見どころなども教えていただけますか?
私が思うブレイキンの魅力は、踊りに正解がなく、個性があるところだと思います。「これをしなさい」「これをやったら必ず勝つ」ということが正直ありません。だからこそ、自分のやりたいことを、対戦相手、応援してくれている人たち、ブレイキンを楽しみに見に来てくれている人たちにどのような姿、踊りで表現するのかが魅力であり、見どころだと思います。
大学での学業でお忙しい中、トップアスリートとしての道を歩んでいる河合選手に、勇気づけられる読者の方も多いと思います。夢を叶えるために、日頃どのようなことを心掛けていますか?
小さい頃から無意識のうちに取り組んでいることは「諦めないこと」でしょうか。
技がなかなかできなかった、予選落ちを繰り返した、ダンスが楽しくなくなってしまったといった時や、怪我をした時など、大きい小さいに限らず様々な想いを経験しました。小さい頃は母から「ここまで頑張ってみようよ」と言ってもらい、練習を頑張れました。その後、時が過ぎていくうちに「目の前のことから逃げたくない」と自然と思うようになりました。そのため無意識に「諦めないこと」を大事にしていて、日々自分の目標に向かって頑張ることができていると思います。
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