【第3回】現役理学療法士の声をご紹介!〜若手理学療法士がやりがいを感じたエピソード:回復編〜

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絶望の4ヶ月からの回復に涙

  • 1年目で初めて失語症を伴った重症片麻痺の患者さんを担当した時のエピソードです。その方はいつも「死にたい」と言っており、絶望の淵に立っていました。そして僕もまた、何もできない自分の無力さに打ちひしがれていました。 しかし発症から4ヶ月目、今までは全くできなかった、歩く時に足を前に踏み出すことができるようになった瞬間がありました。僕は驚きのあまり「◯◯さん!すごい!足出せましたよ!」と叫び、それまでの日々を思い出し、思わず涙が溢れ出しそうになりました。患者さんの手前、涙を堪えましたが、その直後、患者さんは泣きそうになった僕を察してか、頭を撫でて下さいました。また涙が出そうになりましたが、必死に堪えました。 そして、そのリハビリを終え、それまでその患者さんについてよく相談していた理学療法士の先輩へ真っ先に報告へ行きました。するとその先輩が「よく頑張ったな」と言って下さいました。その瞬間、ついに堪えていた涙が溢れ出しました。 この時のエピソードは今もなお僕のリハビリテーションマインドの原点として在り続けています。(POPO)

一時は無力さを感じたものの、辛抱強くサポートを続け、患者さんご自身も努力された結果、奇跡の回復を目にした原体験を書いてくださいました。そして、この経験を見守ってくれていた先輩理学療法士の存在も、心強いものですね。

患者さんの前向きな心の変化がやりがいに

  • 私は病棟を主に担当しています。当院は施設や精神科病院と連携することが多く、認知症など精神疾患を持つ患者さんがいらっしゃいます。以前、リハ室に来ても「何するん!」と大声で言われたり、「もう死ぬるばっかりよ」と悲観的に話したりするばかりでなかなか練習が進まない患者さんがいらっしゃいました。しかし、しばらく介入をしていると穏やかになられ、歩行練習に応じるようになりました。歩きながら「頑張れ言ってー」と言い、リハ室中から応援されていたときは笑ってしまいました。 機能的な回復だけでなく、そうした患者さんの前向きな変化が見えるときは「やっていてよかったな」と強く感じます。(佐藤)

一人ひとりの患者さんに寄り添い、親身に接する姿が、目に浮かぶエピソードです。身体の回復はもちろん、前向きな心の変化がみられるのはうれしいことですね。

まとめ

20代の理学療法士の方々から集まった、等身大の声をご紹介しました。

患者さんの回復を心から喜ぶ、あたたかいストーリーが並びました。エピソードからは、日々、生き生きと活躍し、プロフェッショナルとして真摯に理学療法を提供する姿が伝わってきたのではないでしょうか。

これまで理学療法士と直接関わったことがないという方や、理学療法士に興味を持っている方が、理学療法士の仕事により具体的なイメージを持っていただければうれしいです。

第1回と第2回では、やりがいのほか、理学療法士を目指したきっかけや理学療法士になって大変だったことなどもご紹介していますので、ぜひご覧ください。

【第1回】現役理学療法士の声をご紹介!若手の理学療法士のやりがいや悩みとは? 【第2回】現役理学療法士の声をご紹介!~若手の理学療法士のやりがいや悩みとは?

なお、こちらの若手理学療法士アンケート企画は、引き続きリガクラボでご紹介する予定です。次回もお楽しみに!

若手理学療法士に聞きました!仕事の悩みや将来の夢は何ですか?(2020年版)
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やりがいを感じたエピソードとは?