すべての人が自分らしく生活できる社会の実現のために「2024年度障がい者団体助成事業」募集開始
公益社団法人 日本理学療法士協会では「協会の理念」に基づき、すべての方の健康と幸福に寄与するため、「障がい者団体助成」の対象となる団体を公募し、住み慣れた地域で自分らしく暮らすための活動を応援しています。
現在、2024年度の障がい者団体助成事業の募集をおこなっています。2022年度に助成を受けて実施された事業を振り返りながら、今年度の募集についてご案内します。
2022年度の採択事業を振り返る
日本理学療法士協会は「2022年度障がい者団体助成事業」を実施し、助成対象として、ウルリッヒの会、こころリカバリーフットボール協会、医療的ケアを必要とする児童に対する就学支援の拡充を目指す会の3団体を採用しました。今回はこちらの3団体の活動内容や採択事業について振り返ります。
ウルリッヒの会
ウルリッヒ病は、先天性筋ジストロフィーの一つで、小児慢性特定疾病(指定難病29)に指定されています。現在のところ国内の医療機関や研究者にも、この病気について十分に周知されているとは言えない状況です。そのため、ウルリッヒの会では病気の理解と知識習得、情報交換と勉強会の実施、患者およびその家族との懇談の機会の提供、また、医療関係者との連携による知識の向上をおこなっています。
「2022年度障がい者団体助成事業」では、ウルリッヒ病の治療に向けた研究に関する講演会開催が採択されました。そして、2022年7月31日、全国オンライン開催にて最新研究情報の特別講演会が開催されました。
こころリカバリーフットボール協会
こころリカバリーフットボール協会は、精神障がい者をはじめ、様々な状況にある方々が社会で孤立することなく健康で自分らしい充実した人生を送ることと、多くの方に精神障害についての正しい認識の普及を目的に、フットサルを通じた交流促進や情報交換などの活動をおこなっている団体です。
「2022年度障がい者団体助成事業」では、心と身体の健康を目指したフットサル活動の促進が採択されました。この活動は、2020年、2021年、2022年と3年連続で助成されています。2022年6月に「第4回ソーシャルフットボール(※)全国大会東京予選2022」、7月〜2023年3月にかけて「ここリカ presents Enjoy League」が開催され、1年間のリーグ戦を通して、4チームと約160名の個人選手が参加しました。また、東京ヴェルディや他県のフットボールチームとの交流イベントなどもおこなわれました。
※編集部注:ソーシャルフットボール
名称は、イタリアでおこなわれているcalciosocialeが由来。日本では、精神疾患や精神障害を持つ方を対象としたフットサル競技のことを指す。
医療的ケアを必要とする児童に対する就学支援の拡充をめざす会
「医療的ケアを必要とする児童に対する就学支援の拡充をめざす会」は、医療的ケア児が特別支援学校に就学するにあたり、健常児と変わらない環境で教育を受けられるように環境整備を進めることや、家族が仕事や趣味など育児と両立させながら豊かな生活を営める社会を構築することなどを目指し、大阪府を中心に活動されています。
「2022年度障がい者団体助成事業」では、医療的ケア通学支援事業に関するアンケート調査、大阪府教育庁への要望書提出、医療的ケア児支援についてのイベント実施の3つの活動が採択されました。アンケート調査の結果の考察から導き出した課題と具体的な解決策を提言書にまとめ、2022年9月16日に大阪府教育庁に提出し、意見交換会が実施されました。また医療的ケア児の現状に関する認識を深めてもらうことを目的とした社会福祉協議会や常勤職員に向けた研修会も開催されました。
2024年度の障がい者団体助成事業を募集しています
2022年に日本理学療法士協会により採択された、3団体の障がい者団体助成事業の活動内容や採択事業をご紹介しました。障がい者団体助成事業を通して、必要な支援を誰もが受けることができ、住み慣れた地域で安心して暮らしていけることを心から願っています。
2024年度の障がい者団体助成事業の応募締切は2024年2月15日(木)必着となります。例年よりも締切が早いため、ご注意ください。応募要項や事業の詳細については、下記よりご確認ください。
なお、障がい者団体助成事業の過去のレポートは、下記でも紹介していますのでご覧ください。
※この記事は2024年1月17日時点での情報で作成しています。
※この記事は、以下を参考に作成しています。