映画「栞」が伝えたいこととは?理学療法士の葛藤と成長を描く

Ⓒ映画「栞」製作委員会

映画「栞(しおり)」をご存じでしょうか。

「栞」は、若き理学療法士が、日々患者と接することで悩み、成長していく姿を描く作品です。公益社団法人 日本理学療法士協会が監修し、2018年に公開されたこの作品がDVD化されました。全国の販売店やインターネットにて手に入れることができます。

今回は、映画「栞」のあらすじや、自身もかつて理学療法士であったという異色の経験を持つ、榊原有佑監督からのメッセージをお届けします。

※榊原監督のメッセージは、2018年に刊行された会報誌『JPTA NEWS』No.315から抜粋・一部編集したものです。

映画「栞」のあらすじ

Ⓒ映画「栞」製作委員会

病院という身近な人の死を経験する場所で
理学療法士として、雅哉の選択していく生き方とは…

真面目な性格で、献身的に患者のサポートに取り組む理学療法士の高野雅哉。

幼い頃に母親を亡くし、現在は父親の稔、妹の遥と離れて暮らしている。
そんなある日、雅哉が働く病院にしばらく会っていなかった父・稔が入院してくる。
日に日に弱っていく稔の姿、担当患者の病状が悪化するなど
理学療法士として何が出来るのか自問自答の毎日で無力感に苛まれる。

しかし、そんな時ラグビーの試合中にケガをした新たな入院患者を担当することになった雅哉。

その入院患者の懸命に生きようとする姿に感化され、徐々に仕事への熱意を取り戻していく雅哉だったが…。

※公式サイトhttps://shiori-movie.com/より引用

監督プロフィール

Ⓒ映画「栞」製作委員会

原案・監督・脚本・編集:榊原 有佑

  • 1986年生まれ、愛知県出身。株式会社and pictures 所属。
  • 2012年より映画制作会社and pcituresに所属、2013年に初監督を務めた「平穏な日々、奇蹟の陽」がアジア最大の国際短編映画祭 Shrot Shrot Film Festival & Asia 2014にノミネート。主演の有村架純はベストアクトレスアワード受賞。
  • 2016年、JリーグFC東京の2015年シーズンを追ったドキュメンタリー映画「BAILE TOKYO」を公開。
  • 2018年に公開された長編映画「栞」は北京国際映画祭に正式出品、KINOTAYO現代日本映画祭ではイデム最優秀映像賞を受賞する。
  • 2019年公開された短編映画「島のシーグラス」はShrot Shrot Film Festival & Asia 2019で「ひかりTVアワード」を受賞する。
  • 脚本、撮影から編集、VFXに至るまで映像制作に必要な技能を全て身につけ、フィクション・ドキュメンリー問わず創作を続ける次世代監督の1人。

映画の主役は誰?―榊原監督からのメッセージ

Ⓒ映画「栞」製作委員会

初めまして。映画監督の榊原有佑と申します。

私は2010年まで三重大学附属病院に理学療法士として勤め、現在は映画監督として活動しています。

これを伝えると「全然違う業界にいきなり転身!?」と驚かれます。

確かに求められる専門知識や技術など多くの部分で違いはありますが、現在映画監督として仕事をしていて、理学療法士として働いていた時とすごく似ているなぁと感じることがあります。

それは一つの目標に向かって多くの専門家が関わっていくことです。

映画監督は制作現場の責任者でありますが、自らの手足を使って映画を創っている訳ではありません。実際にクリエイティブ活動をしているのはキャスト・スタッフ、本当に多くのスペシャリストたちなのです。

医療現場での主役は患者さんだと思います。では、映画制作の主役は誰なのか?

あくまで私個人の考えですが映画制作の主役は監督ではありません。

主役はあくまでもその映画の企画 に内在されている“想い”です。

その“想い”が常に中心に居て、どういう形で表現され、どのように世界に羽ばたいていくべきなのかを多くの専門家たちと何度も話し合い、共に創り上げていくものが映画だと考えています。

前置きが長くなってしまいましたが、映画「栞」は私の理学療法士時代に感じていた“想い”が中心となり、素晴らしいキャスト・スタッフがそれぞれのスペシャリティを発揮して完成しました。

映画をご覧になっていただける機会がありましたら、私たちが大事にしてきたその“想い”に耳を傾けていただけると、とても嬉しいです。

最後に私が映画監督として作品を創り続ける意義について述べたいと思います。

簡潔に申し上げると、とても陳腐に聞こえるかもしれないですが、それは自己表現です。

自分で体験したこと、感じたこと、考えていること、それを映画というメディアで表現し、恐れずに発信していく。そしてその自己表現を通して社会と繋がっていきたい。私はそう考え、これからも映画を創り続けていきたいと思っています。

映画「栞」のラストシーンで主人公の雅哉が取った行動は、まさに自分がこの映画を長年かけて創ってきた姿に重ねています。

たった2時間の1本の映画で社会に何が提供できるのかは分かりませんが、それでも自分の“想い”を発信し続けることで、この世界を1ミリでも明るい未来に前進させることが出来ると信じています。

どうか雅哉の取った行動が、この世界にいる誰かにとって意味のあるものになってくれることを願っています。

「栞」作品情報

作品タイトル
配給 NexTone
配給協力 ティ・ジョイ
出演 三浦貴大
阿部進之介
白石聖
池端レイナ
福本清三
鶴見辰吾
ほか
監督 榊原有佑
脚本 眞武泰徳
共同脚本 岡本丈嗣
音楽 魚返明未
主題歌 「Winter」
作曲:Liam Picker/西川悟平
映画「栞」公式サイトはこちらから 映画「栞」予告編の動画はこちらから

「栞」自主上映会の主催者募集について

映画「栞」は本作の自主上映会を開催してくださる主催者さまを募集中です。

個人、団体、自治体、法人など、どなたでも自主上映会を企画することが可能です。

DVDを再生できる機器とプロジェクターをご準備いただければ上映会は可能です。
※「出張上映サービス」もございます。上映機器をお持ちでない方もお気軽にお問い合わせください。

自主上映会の詳細・お申し込みについては、下記のPDFをご確認ください。

なお、本自主上映会については、公益社団法人 日本理学療法士協会が取り扱う事業ではございませんので、ご質問などはPDFに記載のお問い合わせ先にお願いいたします。

栞 自主上映会について [PDF]