【第3回】新型コロナ対策:生活不活発病予防のすすめ~座ってできる運動・横になってできる運動

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第2回に続き、立つことに不自由・不安を感じている方を対象に、家での過ごし方や動く量(活動量)を増やすための工夫を紹介します。今回は、座ってできる運動・横になってできる運動を取り上げます。

どの運動も自分の体力や動かせる範囲、体調と相談しながら、身体に負荷がかかっていると感じられるくらいの強さでおこなってください。痛みがある場合は、動かす範囲を少し小さくしても構いません。

座ってできる運動-上半身を動かしましょう!

まず座ってできる上半身運動を紹介します。家で過ごすことが多いと、腕を肩より上げる機会が少なくなり、体幹も動く範囲が小さくなり、同じ姿勢を取りがちになります。まずは腕と体幹をしっかりと動かしましょう。

※座ってできる運動ですが、立っておこなっても構いません。

腕の上げ下ろしの運動(前から上)

  • 椅子に座って両腕を体の横に下ろします。
  • 両方の手のひらが向かい合うように腕を伸ばして前から上に上げていきます。息を吸いながらゆっくりと上げていきましょう。
  • 上まで上げたら、腕を伸ばしたまま前を通って下ろして元の姿勢に戻ります。息を吐きながらゆっくりと下ろします。
    10回を目安に無理のない範囲と回数で繰り返します。

腕の上げ下ろしの運動(横から上)

  • 椅子に座って両腕を体の横に下ろします。
  • 腕を伸ばして横から上に上げていきます。腕が水平の位置に来たら、手のひらを上に向けて、さらに上げていきます。
    息を吸いながらゆっくりと上げていきましょう。
  • 上まで上げたら、腕を伸ばしたまま横を通って下ろして元の姿勢に戻ります。
    息を吐きながらゆっくりと下ろします。
    10回を目安に無理のない範囲と回数で繰り返します。

上半身を前後に動かす運動

※肘かけのある椅子の場合には、肘かけを持ちながら実施しても構いません。

  • 椅子に座ります。
  • 腰から体を前に倒し、お尻が椅子から浮かない範囲で前屈します。写真のように身体が太ももにつくまでできなくても構いません。無理せず、できる範囲にしましょう。このとき、両手を太ももの上に置いて支えても構いません。
  • 1の姿勢に戻ります。
  • 骨盤は動かさないことを意識しながら背中をそらします。斜め上を見るように首を少しそらしましょう。
    深呼吸に合わせながら、ゆっくりと10回程度を目安に繰り返します。

上半身をひねる運動

※上半身が不安定な方は肘かけのある椅子でおこなってください。不安のない方は、腕を組んだ姿勢で体をひねってもよいでしょう。

  • 椅子に座ります。
  • 片手を肘かけに乗せ、逆側から上半身をひねります。
  • 正面に戻ります。
  • 反対側も同じようにおこなってください。
    ゆっくりと左右5回ずつを目安に繰り返します。

上半身を左右に倒す運動

※上半身が不安定な方は肘かけのある椅子でおこなってください。

  • 椅子に座ります。
  • 片手を肘かけに乗せ、逆の手を伸ばして上半身を横に倒します。
  • 正面に戻ります。
  • 反対側も同じようにおこなってください。
    ゆっくりと左右5回ずつを目安に繰り返します。

肩や背中の運動(ウィンギング・エクササイズ※)

※この運動は肘を下げずにおこなうことを意識しておこないます。自分で思うより肘が下がりがちなので、鏡を見ながらやるとよいでしょう。

  • 椅子に座ります。
  • 両手を顔の前に持ってきます。肘が肩の高さになるように気をつけます。
  • 肘の高さはそのままで両方の肩甲骨を引き寄せるように意識しながら、左右に腕を開きます。手のひらは外に向けます。肘が下がらないように注意します。
  • 腕を上に上げて手の甲を合わせます。肩が痛む場合は上がるところまでで構いません。
  • 4⇒3⇒2⇒3⇒4⇒3⇒2の順で10回を目安に繰り返します。
    下腹部に力をいれながら実施すると効果的です。
    上手にできる方はなるべく早い動きでやってみてください。

(※川野哲英:ファンクショナルエクササイズ, 2004.)

座ってできる運動-下半身を動かしましょう!

次に座ってできる下半身運動を紹介します。今回ご紹介する運動は、立ったり歩いたりするときに関係する大きな筋肉を使う運動です。また、大きな筋肉を使うことで全身の代謝も上がります。かかとを上げる運動やふくらはぎのストレッチは、むくみの予防・改善やエコノミー症候群の予防にも効果があります。

交互に足踏みの運動

椅子に座って、足踏みをするだけでも運動の効果が得られます。

かかとを上げる運動

  • 椅子に座ります。両足の向きは「ハの字」や「への字」にならないよう、つま先を正面に向ける(両足の向きが平行になる)ようにしてください。
  • 両方のかかとを同時にゆっくり持ち上げます。2~3センチメートル程度で構いません。床を蹴るのではなく、かかとを引き上げることを意識してください。膝の上を手で押さえたり、太ももの上に本を乗せたりすると負荷を上げることができます。
  • かかとをゆっくりと下ろします。
    10回程度を目安に繰り返しましょう。

膝から足を伸ばす運動(+足首を曲げる運動)

  • 椅子に座ります。
  • 太もも前面の筋肉を意識しながらゆっくりと(1秒程度で)片足を上げます。
  • 余裕がある方は、2の状態で足首を自分のほうに向けて曲げると、ふくらはぎのストレッチになります。
  • 反対側も同じようにおこなってください。
    片足ずつ10回を目安に繰り返します。
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