【レポート&事業案内】見えない・見えにくい人のための点字教室開催!ロゴス点字図書館
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公益社団法人 日本理学療法士協会では、「2019年度障がい者団体助成事業」を実施し、社会福祉法人 ぶどうの木 ロゴス点字図書館の活動が採択されました。
「障がい者団体助成事業」とは、日本理学療法士協会の理念に基づき、すべての方の健康と幸福に寄与するため、障がい者団体助成の対象となる団体を公募し、住み慣れた地域で自分らしく暮らすための活動を応援する事業です。
今回は、ロゴス点字図書館が開催した、中途失明者のための点字教室「見えない・見えにくい人のための点字教室」の様子をお伝えします。
●点字とは?
紙面に突起した点を一定の方式に組み合わせた視覚障碍者用の文字。指先で触れて読みとる。(広辞苑より引用)
社会福祉法人 ぶどうの木 ロゴス点字図書館とは?
東京・江東区の日本カトリック会館にある「ロゴス点字図書館」。
“考える図書館”という理念のもと、視覚障害のある方々へ、点字図書や録音図書の製作・貸し出しをはじめ、点字出版、視覚障がい者の生活相談などをおこなっています。視覚障害のある方、活字読書の困難な方なら誰でも利用可能です。
「ロゴス」はギリシア語で「言葉」や「原理」を意味し、聖書では「神」を暗示する言葉です。障害のある方にもっとも大切なのは、「考える」こと。例えば、悩み苦しい立場にあっても、自らの力で考えれば克服できる。そして、図書館はその必要を満たすためにある。そんな思いから、図書館の名前を“ロゴス”とし、利用者が“考える”ための助けとなる資料をさまざまな形で提供しています。
また、ロゴス点字図書館では、点字、音声データネットワーク「サピエ」の利用も可能です。
サピエは視覚障がい者をはじめ、目で文字を読むことが困難な方々に対して、さまざまな情報を点字、音声データなどで提供するネットワークです。全国のサピエ会員施設・団体が製作または所蔵する資料の目録、点字・音声図書出版目録からなる点字図書、録音図書などが検索でき、資料によっては貸出依頼や、データのダウンロードもできます。
中途失明者の講師からマンツーマン指導。見えない・見えにくい人のための点字教室
ロゴス点字図書館では、一人でも多くの中途失明者が点字を学び、人生に再び希望を見い出して欲しいとの思いで、2011年から「見えない・見えにくい人のための点字教室」を開催しています。
視覚障がい者なら誰でも無料で受講でき、それぞれのステップに合わせた教材を使用しながら、同じく中途失明者である講師からマンツーマンで指導を受けることができます。また、点字を一つの入り口にし、生活相談や居場所作りの役割も果たしています。
2019年には、全24回の点字教室が実施されました。参加者2名からスタートし、9月から1名が加わり、最終的には3名が受講されました。新規受講生は進行性疾患を持った方ですが、最終的にはゆっくりではあるものの、触読(点字などを指先でなぞって読むこと)ができるまでになったそうです。
教材について
点間(点と点との間の間隔)や高さなどはJIS規格にのっとり、専用のプリンタで印刷します。用紙は点字専用のやや厚めの紙を使用します。教材は一般的なものよりも点間や点の大きさがより区別しやすくなっており、この「ラージ点字」を経て一般的なサイズの点字へ移行していきます。
受講の流れ
新規受講者は、まず点字を触ることに慣れるところから始まります。その後、触り方、手の動かし方、感覚などを講師から教えてもらいます。手は主に左手の人差し指で読みます。
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