【中編】防災の日特集 災害時の新型コロナ感染を防ぐために~災害が起きる前からできること~

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こちらの記事では、9月1日の防災の日に合わせて、新型コロナウイルス流行下における災害対策についての情報をお伝えしています。

前回に引き続き、湘南医療大学の下田栄次さん(理学療法士)にうかがっています。

今回は、災害が起きる前から準備できることについて見ていきましょう。防災マップの用意や、新型コロナウイルス対策として必要な衛生用品などを紹介します。

「我が家の防災マップ」を作ってみましょう

ご家族や子どもたちと「我が家の防災マップ」を作ると、とても楽しく防災について準備をすることができます。まずは前回の記事でも触れた、自治体から配布されている「防災マップ」を入手しましょう。自治体ホームページに掲載しているところもあるので、検索してみてください。

自分の住む地域、自宅周辺で起こりうる災害について知り、どんなことが起こりうるか想像してみましょう。災害ごとに、避難所や避難所までのルート、災害発生時に怪我をしたときの受け入れ拠点となる病院(災害拠点病院)等がわかります。防災マップができたら、実際に避難経路を歩いてみましょう。安全に避難できるルートかどうかを定期的に点検することで適度な運動にもつながりますよ。

なお、災害時の対応は、自治体によって異なります。地域や町内会等でおこなわれる防災訓練にも積極的に参加して、普段から地域の方と顔見知りになっておきましょう。

避難所に備蓄品と衛生用品を持参しましょう

これまで起きた災害において、大規模災害や局地災害に限らず、避難所に避難してきたすべての方に対して、特に衛生用品は十分に準備ができない状況がありました。

ご自身の避難所での安全対策と避難所の負担軽減のため、避難所に避難する際には、避難する人それぞれが、備蓄品や衛生用品を持参しましょう。災害が起きる前に準備しておくとよい代表的なものを以下に記載します。

備蓄品

  • 食料
  • 非常用トイレ

また、備蓄品に関して、これまで3日間の備蓄が推奨されていましたが、これからの「新しい生活様式」では、衛生用品も加えた1週間分の備蓄が必要であるとされています。

感染症の予防のための衛生用品

  • マスク
  • 手袋
  • 体温計
  • ペーパータオル(手拭き用)
  • 消毒シート
  • 室内履き
  • ごみ袋 等
災害に備えて用意するもの一覧

※首相官邸ホームページより

特別用途食品とは

避難所に備蓄されている食事は、水や最低限の食料となり、高エネルギー食であることが多く、摂取できる栄養素に偏りがあります。また、食事の形態においても配慮が必要な方を想定した準備はあまりなされていません。病気の人や、乳幼児、高齢の方がいるご家庭では、通常の食事を食べることができない人のための特別用途食品と呼ばれる食品の備蓄をおすすめします。

図1 特別用途食品について(消費者庁より一部改変 筆者作図)

小さなお子さん、乳幼児のいるご家庭では

食料と併せてオムツやお尻ふき、抱っこひもやスリング、そして授乳方法に合わせて、授乳ケープや哺乳瓶などの消毒用品の準備もしておくことが必要です。また遊び慣れたおもちゃなども準備しておくことで、赤ちゃんや子どものストレスを減らせます。

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