【第8回】シカクの人物図鑑 河村由実子さん:ラジオ番組とウェブメディアで、予防医療の大切さや患者の声を届ける理学療法士
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笑顔と幸せをキーワードに、自分の強みを活かして実行していきたい。河村さんのこれから
ラジオやウェブメディアでの活動を進めるなかで、特にやりがいを感じることはありますか?
河村さん:ラジオパーソナリティでは、やはりリスナーの方から反響があったときがうれしいですね。単純に感想をいただいたときもそうですが、「ラジオを聞いて実際に行動に移せたよ」という声をもらったときは本当にやりがいを感じます。
還暦を過ぎた父が、私の放送のある日はいつもカセットテープに録音するため正座して待機しているのだそうです(笑)普段さまざまな活動をし、バタバタしていて親孝行もあまりできていないので、母から「父さんがいつもうれしそうにラジオ聞いてとるよ」と言われたときは、少しうるっときました(笑)たまに実家に帰ると、ラジオの内容について父(非医療者)から質問が来ることもあるのでうれしいです。
河村さん:リハノワ.comでは、取材した方々が、私の記事をきっかけにどんどんと新たなつながりができていった、と言ってくださったのが印象に残っています。セラピストや施設でいうと、新たな仕事につながったり、講演を依頼されたり、雇用につながったりしているようです。
当事者の方からも、「こんな人もいるんだ。私も頑張ろうと思った、パワーをもらった」との声をいただいたことがありますし、取材した本人からも「今後の励みになりました」と言っていただいたこともあります。とてもうれしかったですね。
あと、当事者の方の取材に伺った際、この取材のためにリハビリを頑張った、ちょっとオシャレをしてきた(美容院に行ったり、きれいな服を着たり、お化粧したり)などという方がいらっしゃいました。取材自体が本人のリハビリのモチベーションになっているのだなと感じたときは、この活動をしていてよかったなと感じました。
河村さんに会うことでリハビリのモチベーションが上がると言われるなんて、本当にうれしいですね。理学療法士として働いている経験が、今の2つの活動にどう活かされていると思いますか?
河村さん:理学療法士として集中治療の現場にいなければ、今こうした活動はしていなかったと思います。
「救うためにどうするか」と皆必死になって命と向き合っている現場で、私は常に「いかにその人のQOL(※)を上げるか」「その人らしさを支援するか」という視点を重視し、物事を見ています。セラピストならではの視点を持って救急・集中治療の現場にいたからこそ、さまざまな課題が見え、使命感も沸々と湧いてきたのだと思います。
理学療法士は、救急医療の現場と地域をつなぐ架け橋になると、私は信じています。そのためにはもっともっと多職種間や理学療法士同士の連携が必要だと思っています。
(※)編集部注:クオリティ・オブ・ライフ。人生の質や生活の質のこと。
最後に、河村さんの将来の夢があれば教えてください。
河村さん:目の前の人が笑顔で、ハッピーでいられるモノづくり、まちづくり、仕組みづくりをしていきたいです。自分の強みを生かしながら、さまざまな業界の方とタッグを組み、実行していきたいですね。
とにかくワクワクする心を忘れず、歳を重ねていくのが目標です。
おわりに
シカクの人物図鑑の第8回は、理学療法士としての経験を活かしてラジオパーソナリティやウェブメディアの運営をおこなう河村由実子さんをご紹介しました。
社会全体の健康を守るために予防医療を届けたい、人と人とのつながりを増やすことで多くの人が救われるきっかけを作りたい、そんな河村さんの思いが伝わってきました。
FMはつかいちの医療系トークバラエティ番組「医どばた食堂」は、広島県廿日市市、広島市佐伯区、西区の各一部地域が放送区域なので、お近くにお住まいの方はぜひ番組を聞いてみてはいかがでしょうか。また、「医どばた食堂」の公式YouTubeチャンネルでも過去の番組を視聴できますので、興味のある方はチェックしてみてください。
シカクの人物図鑑では、今後も理学療法士の資格をお持ちの方のお仕事や活躍をご紹介していきます。次回もお楽しみに。
(2021.2.1追記)
最後まで記事をお読みいただきありがとうございました。若手として活躍する20代の理学療法士の方々にアンケートをおこなった記事もありますので、こちらもぜひご覧ください。
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