【第5回:後編】生涯現役!理学療法士に聞く、キャリアと健康管理法~理学療法の未来のため行政との橋渡しに力を注ぐ山本克己さん~

    1 2

リガクラボの連載「健康寿命をのばして生涯現役!ベテラン理学療法士に聞く、キャリアと健康管理法」。長きにわたりお仕事をされていて、現在も生涯現役を目指して活躍されているベテラン理学療法士の方々に、前編では現在のお仕事(セカンドキャリア)について、後編では日々実践している健康管理法についてお話を伺っていきます。

第5回は行政分野で理学療法士として勤務された後、現在は一般社団法人 兵庫県理学療法士会にて後進の未来のために活動を続ける山本克己さんにご登場いただきます。

PROFILE

山本 克己さん(やまもと かつみ)

山本 克己さん(やまもと かつみ

1956年神戸市生まれ。1986年養成校卒業後、神戸市役所に入職、行政内での政策立案や区役所での訪問指導事業、通所の機能訓練事業に従事。地域住民や団体、他の専門職と連携し、地域リハビリテーション、地域理学療法の充実に努め、介護予防やフレイル予防の普及、啓発にも携わるなど、行政一筋で30年間勤務した。2016年神戸市を定年退職し、兵庫県理学療法士会へ入職。日本理学療法士協会協会賞、兵庫県功労者表彰、厚生労働大臣表彰などを受賞。

山本さんの健康管理法について

前編の記事では山本さんのキャリアについてお話を伺いました。兵庫県理学療法士会の事務局長として士会、地域、行政のパイプ役を担っていらっしゃる山本さんは、お仕事を続ける中で、ご自身は健康管理のために具体的にどのようなことをされていますか?

山本さん:日々の健康維持のため、週に何回かのジョギングと軽い筋トレ・ストレッチをおこなっています。ジョギングの際は、自宅近くの神戸港周辺を10キロメートル程度走っています。

自宅近くは神戸市の中でも観光名所が多いエリアなのですが、季節ごとに来航するクルーズ船や日本丸・海王丸といった帆船など、風情のある景色を眺めながら走ると心が和みます。

また、山歩きにも暇を見つけて行くようにしています。山歩き道中の観光やグルメ巡り、友人・家族との会食などが日々のリフレッシュやストレス解消につながるため、これが私なりの健康維持の取り組みかなと思います。

六甲山など近隣の山々を歩くことが多いですが、近年では、屋久島の縄文杉や紀伊の熊野古道にも行ってきました。

ジョキングをされている方や山歩きのハイカーとすれ違う時の挨拶なども心が和むひとときです。

家族で「須磨アルプス」縦走コースを登山した時の様子

ジョギングや山歩きなど積極的に体を動かし、リフレッシュされているのですね!生涯現役を目指すために大切な心がけ・秘訣は何だと思いますか?

山本さん:健康の維持はもちろんですが、対人関係での印象を意識し、常に素養を身に付ける姿勢が大切かと思います。

いろいろな方達との会話や情報交換の場で、年齢や世代、立場、性差などを理由に、相手の意見や背景を顧みない、あるいは理解しようとする努力を怠ることは、かなり印象を損ないます。ひいては、コミュニケーションの機会の減少につながりかねません。身振りや態度、身だしなみ、言葉使いにも意識を払わなければ、今後の関係にも影響するでしょう。

世代などを超えた情報収集と会話の努力、独善に陥らない応対を常に意識することで、現役としてふさわしい素養の維持につながると思います。

対人コミュニケーションでの心配りこそが、日々の張り合いにつながり、現役を続ける秘訣となるのですね。山本さんは定期的に「神戸市シルバーカレッジ」にて講師を務めていらっしゃるとも伺いました。生涯現役を目指す上で、こちらも山本先生に影響を与えているのでしょうか?

山本さん:神戸市シルバーカレッジは、高齢者の豊かな経験を活かして自らの可能性を拓き、その成果を社会に還元することを目指した生涯学習機関で、学生たちが授業を通してグループ学習や発表をおこないます。私はこちらで「高齢者の体力づくりと運動機能の維持向上」と「ADL日常生活動作体力測定」をテーマに年10回ほど講師を務めているほか、月1回のグループ学習でファシリテーター役として学習サポートをおこなっています。

参加している皆さんは、幾つになっても学びを止めることなく、健康寿命の延伸や地域活動への参加に意欲的で、頭が下がる思いです。その熱い想いの一助となることができていると感じ、私自身の活動の励みにもなっています。

神戸市シルバーカレッジ「活き生き倶楽部」グループのメンバーとともに

生涯現役で充実した毎日を目指して。山本さんの今後の目標

講師を務める神戸市シルバーカレッジでは、学生の皆さんから刺激を受けているのですね。山本さんの今後の目標、チャレンジしたいことなどがありましたらお聞かせください。

山本さん:仕事面では、今後を担ってくれる次世代の育成・引継ぎが重要だと考えています。生涯現役を目指すつもりですが、将来の担い手の育成と、私が将来的に理学療法や兵庫県理学療法士会のためにどのように役立てるか、方策を見極めていきたいと思っています。

プライベートでは、ジョキングと山歩き、そして、家族・友人との触れ合いを引き続き大切にしていきたいです。若い頃によく行っていた日本アルプスにも、体調を整えて行きたいですね。実はDIYも好きなので、家の中でできる手工芸的な趣味にも取り組むことができたらと思っています。

齢を重ねると、友人の中には幾人か他界するものも出てきました。一緒に走り、ともに山を歩き、理学療法の夢を語り合った友たち。彼らの「熱い想い」を思い起こしながら、天空で彼らに再会した時に胸を張って報告できるよう、生涯現役を目指していきたいと思います。

次へ:おわりに
    1 2