【第3回】教えて!初めての在宅介護〜切っても切れないお金の話〜

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Q. なるほど。父の場合1割負担で済むとはいえ、あれもこれも自由に利用できるというわけではないのですね…。介護サービスの利用で実際に月々どのくらいかかるかわからないので不安です。

A. そうですよね、具体的な負担額が知りたいところですね。では、どの程度の費用感になるのか見てみましょう。

下記は、要介護1~5で負担額1割の方が、訪問介護(ホームヘルプ)を利用した場合の負担額の目安となります。お父様は要介護2で負担額が1割ですから、こちらがおおよその費用感になります。

身体介護に関する費用の目安

1回あたりの所要時間 利用者負担(1割)
20分未満 165円
20分以上30分未満 248円
30分以上1時間未満 394円
1時間以上1時間半未満 575円

生活援助に関する費用の目安

1回あたりの所要時間 利用者負担(1割)
20分以上45分未満 181円
45分以上 223円

その他

1回あたりの所要時間 利用者負担(1割)
通院時の乗車・降車等介助 98円

「身体介護」とは、主に利用者の身体に直接的に触れておこなわれる介助サービスのことを指します。そのほか、利用者の日常生活動作能力(ADL)や意欲の向上のために利用者と共におこなう自立支援のためのサービス、その他専門的知識・技術をもっておこなう利用者の日常生活・社会生活上必要となるサービスも含まれます。

身体介護の例)
食事・排泄介助、清拭・入浴、身体整容、体位変換、移動・移乗介助、外出介助、起床及び就寝介助、服薬介助、自立生活支援のための見守り的援助

一方、「生活援助」は、掃除、洗濯、調理などの日常生活の援助であり、利用者が単身や家族が障害・疾病などのため、本人や家族による家事が難しい場合におこなわれるサービスのことを指します。

生活援助の例)
掃除や洗濯、ベッドメイク、衣類の整理・被服の補修、一般的な調理、配下膳、買い物・薬の受け取り

介護サービス提供者の賃金は地域によって差があります。この地域差を調整するために「地域区分」というものが設けられています。そのため利用者負担額はお住まいの地域によって異なり、例えば訪問介護の場合、一番高い地域は一番低い地域に比べ14パーセント増額となります。かなり細かな計算になりますので、詳細は自治体のホームページをご覧いただくか、ケアマネジャーに確認してみてください。

※介護サービスの内容などには地域差があります。
※この記事は2022年3月16日時点での情報で作成しています。
※この記事は、以下、厚生労働省を含む各コンテンツを参考に作成しています。

介護サービス情報公表システム サービスにかかる利用料(厚生労働省)
介護サービス情報公表システム 公表されている介護サービスについて(厚生労働省)
介護サービス情報公表システム 介護保険の解説 用語の解説(厚生労働省)
地域区分について(厚生労働省)

おわりに

初めての介護に取り組むAさんの疑問を元に、介護サービスにかかる費用についてご紹介してきました。具体的な費用のイメージがつかめたのではないでしょうか。

介護をする期間が長期化するにつれて経済的な負担を抱えることもあるため、上手に介護サービスを利用していきたいですね。万が一に備え、この連載が少しでもみなさんのお役に立てたらうれしいです。

次回は番外編として、介護施設の種類やその特徴などについてお伝えしたいと思います。
次回もお楽しみに。

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