【第2回】肩の痛みを改善しよう!~肩関節周囲炎の治療と痛みがある時の注意点~

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肩関節周囲炎は、肩関節の痛みや、関節の動く範囲が狭くなる疾患で、一般的に四十肩、五十肩とも呼ばれています。

肩が痛んだり動きが悪くなったりすることから、日常生活に不自由や不便が生じることがあります。しかし、症状に合わせて対応すれば、改善していきます。

第1回の記事では、肩関節周囲炎の症状や肩の健康の自己チェックなどについてご紹介しました。第2回となる今回は、肩関節周囲炎の治療と痛みがある時の注意点についてお話ししていきます。

肩関節周囲炎の病期と治療の流れ

肩関節周囲炎の治療は、基本的に保存療法が中心となります。第1回で肩関節周囲炎には炎症期、拘縮期、寛解期の3つの病期があることをご説明しました。治療内容はこれらの病期によって違いがあるので、注意しましょう。

「炎症期」は安静が第一

◆理学療法
肩の使い方や休め方を指導して負担を減らします。

◆薬物療法
痛みを抑えます。

  • 鎮痛剤(貼り薬、飲み薬)
  • ヒアルロン酸注射
  • ステロイド注射

「拘縮期」は温めることが大事

◆理学療法
温めたり、痛みに注意しながら肩の動く範囲を広げていきます。

◆薬物療法
必要により継続しておこないます。

「寛解期」には積極的に動かす

◆理学療法
セルフエクササイズなども利用して、動かす機会を増やしていきます。

※拘縮期を過ぎても肩の動きが悪い場合は、「鏡視下肩関節授動術」という手術をおこなうことがあります。

理学療法について

肩関節周囲炎の理学療法には「運動療法」「徒手(としゅ)療法」「物理療法」があります。

運動療法の目的は、肩関節を含めて、様々な関節や身体全体に対して適切な運動を習得することです。肩関節・肩甲骨周りも含めて筋肉の活動を高めます。運動療法をすることで姿勢改善を図り、肩への負担軽減につなげます。

徒手療法は、理学療法士の手によって直接おこなわれ、関節の動きや筋肉の柔軟性など機能の改善を図ります。痛みのある時期は、患者さんの気持ちに寄り添いながら実施していきます。

なお物理療法は、機器を用いて、痛みを和らげたり、緊張している筋肉をほぐします。温熱療法、電気刺激療法、超音波療法などがあります。

炎症期と拘縮期では痛みが違う

同じ肩関節周囲炎の痛みでも、炎症期は「痛くて動かせない」、拘縮期は「動かすと痛い」と痛み方が違うので、注意が必要です。「痛み」は、その動きは危険という身体からのサインでもあります。痛いと感じる動作は徹底的に避けるようにしましょう。

肩を動かす時の注意点 Q&A

肩の痛みが強くて動かすのも辛いのですが、どうしたら良いですか?

炎症期では、痛みで眠れなかったり、じっとしていても動かしても痛みが出現します。まず痛みが出にくい腕の位置を探して、リラックスできる環境を整えましょう。それによって痛みが和らぎ、動かしやすくなったりします。

痛みが強い時は、自宅でも動かしたほうがよいですか?

痛みをがまんして動かす必要はありませんが、痛みのない程度に運動したり、生活の中で使うことは構いません。しかし、無理をすると悪化することがありますので、医療機関で理学療法士による痛みを和らげるリハビリを受けたり、適切な運動を教えてもらいましょう。

肩の動きが悪くなった場合、どのようなリハビリを受けたり、運動をおこなうとよいですか?

炎症が治まり痛みが軽減してくると、筋肉が硬くなり、肩の動く範囲が狭くなります。理学療法士による硬さをほぐす運動療法や適切なセルフエクササイズを指導してもらうことをお勧めします。

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