【前編】スポーツと理学療法~ブレイキンで人々を魅了する河合来夢選手インタビュー~
-
1
2
河合選手のボディメンテナンス法と、理学療法との関わり
ブレイキンは首や腰などに負担がかかる技も多く、怪我や体調不良など、不測の事態もあると思います。どのようなトレーニングで怪我の予防に取り組まれていますか?
森永製菓の方にサポートをしていただいていて、自分に必要なストレッチや体幹・下半身などのトレーニングサポートをしていただいています。トレーニング内容は、数カ月ごとに変わりますが、メニューが変わっても、下半身を強くするためのダンベル・バーベルなどの重量があるものを使用してのスクワットと、最後まで踊り切る体力をつけるためのインターバルというものは必ずおこなっています。
ストレッチや様々なトレーニングを取り入れられているのですね。体の負担軽減として、理学療法士の方のメンテナンスを受けられる機会もあると思います。河合選手が効果を特に感じたメンテナンスがあれば、教えてください。
私が通う文京学院大学の理学療法学科の3人の先生に、コンディショニングをしていただく機会がありました。それぞれの専門分野ごとに身体のメンテナンスを実施していただき、その中でも柿崎先生のレッドコード(ロープを使った運動療法の装置)を使ったメンテナンスが自分自身の身体の変化に気づきやすかったです。体幹が大きくずれていましたが、正しい位置を教えていただき、技を練習する際にも軸を取りやすくなったのがとても印象的でした。
理学療法によるメンテナンスを受けることで、ご自身の身体の変化に気づくことができるのですね。今後競技を続けていくうえで大いに役立ちそうです。では最後に、競技生活においての今後の目標やチャレンジしていきたいことをお聞かせください。
ブレイキンの大会で一番規模が大きく、有名なのがRed Bullさんが主催している Red Bull BC Oneです。こちらで優勝すること、また今後オリンピックでブレイキンが正式種目になった際に日本代表になり、金メダルをとることが目標です。
なお、ここ最近は事前に作った動きと内容を大会でおこなっていますが、練習をしたり、他の人の踊りを見たりした時に「もっとダンスは自由なんだよな」と思う瞬間が多くありました。そのため、おこなう動きは決めるけれど、もっと自由に踊ることができるようになることが今の目標になっています。常に自分の踊りを進化させて、自分らしい自由な踊りを見つけていけたらと思います。今後も全力を尽くして頑張っていきますので、応援していただけるとうれしいです。
おわりに
河合選手にお話を伺って、ブレイキンを続けていくことの苦労や、身体にかかる負担をいかに軽減していくことが大事かよくわかりました。夢を叶えるためには「諦めないこと」が何よりも大切という言葉も、大変印象的でしたね。
PROFILE
河合 来夢選手 (かわい らむ)
22歳
ブレイキン歴約17年
文京学院大学人間学部児童発達学科4年生
主な成績・獲得メダル:2017年 BATTLE OF THE YEAR WORLD FINAL 優勝、夏季ユースオリンピック ブエノスアイレス2018(Buenos Aires Youth Olympic Games)女子個人および男女混合にて優勝
-
1
2