【後編】家の中の危険を予防しよう~家庭内での事故防止のポイント~

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事故というと、交通事故のような屋外での事故を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、実は国内で起こる事故の7割以上は「家の中」で起きています。特に、家の中の段差につまずく、床で滑って転ぶといった高齢者に多い転倒・転落の事故は、骨折や頭部外傷等の大怪我につながりやすく、それが原因で介護が必要になることもあります。

前編の記事では、冬場に特にリスクが高くなる「ヒートショック」を防ぐために気をつけたいことと、浴室やトイレに潜むリスクと対応策をご紹介しました。後編となる今回は、屋内事故の多発エリアである居室・台所・階段での転倒防止のポイント、転倒予防のために自宅でできるトレーニングについて紹介します。

事故多発エリアは居室・階段・台所

65歳以上の高齢者は若年層に比べて住宅内での事故の割合が高くなっています。内閣府が公表した平成29年版高齢社会白書(全体版)によると、65歳以上の高齢者は一日の大半を過ごす居室(リビング)での事故割合が最も多く、続いて階段、台所・食堂での事故が多いとされています。

また、令和3年人口動態調査(厚生労働省)によると、65歳以上の転倒・転落・墜落による死亡者数は9,509人で、交通事故の2,150人の4倍以上です。特にスリップやつまずき、よろめきによる平面上での転倒による死亡者数は8,085人で8割以上に上ります。

こういった事故を予防するためには、場所ごとにどのような危険があるかを確認して、対策が必要です。

居室・台所に潜むリスクと対応策

居室や台所は平面だと思って足元に注意が向いていないことで起きる事故が多いようです。日頃の注意はもちろん、油断しやすいからこそ事前の対策でリスクを解消しておきましょう。

電気コードの注意点

電気コードをまたごうとして、足を引っかけて転倒してしまうことがあります。部屋の壁面にコードを這わせるようにして、固定しておきましょう。

部屋と部屋の境目の注意点

部屋と部屋の境目でつまずいたり、転びそうになったりしたことはありませんか?段差解消スロープを取り付けると、転倒の危険が軽減されます。

カーペットの注意点

カーペットがめくれている部分に足を引っかけて、つまずいたり、転びそうになることもよくあります。カーペットは固定テープで床に留めておきましょう。

食器棚の注意点

高いところから食器を取るために椅子に上がって、そこから転落してしまうケースがあります。よく使う食器は手が届きやすい低い位置に収納しておきましょう。

滑りやすい床の注意点

台所の床はいつの間にか濡れていることがあり、滑って転びやすい環境です。マットが滑って転倒するケースもあります。転倒予防に、滑り止め付き吸水マットを使用するといいでしょう。また、靴下の素材によって、フローリングで滑りやすい場合がありますが、滑り止めの付いた靴下を履くと安心です。

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