【後編】転倒を予防していつまでも元気に~生活環境を見直そう~

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転倒は加齢に伴う身体機能の低下だけでなく、認知機能や視聴覚機能の衰え、さらに持病や生活環境など、様々な要因で起こりやすくなります。

中編の記事では、転倒の要因と予防方法についてご紹介しました。後編となる今回は、転倒を予防するための生活環境の見直しについて、お話ししていきます。

転倒の内的リスク、外的リスクとは

転倒には内的リスクと外的リスクがある

転倒には、内的リスクと外的リスクがあります。

内的リスクとは、身体機能、認知機能などのご自身が抱える要因のことです。具体的には中編でご紹介したように、加齢に伴うバランス能力、歩行能力、筋力の低下、精神機能、認知機能、視聴機能の低下、さらに起立性低血圧や各種疾患、薬剤の影響などです。

外的リスクは家の中、外の両方に存在します。具体的には段差、障害物、履物、滑りやすい場所、部屋の暗さ、階段、手すりの有無、坂など、いろいろな要因が考えられます。

身体の状態だけでなく、環境要因への注意も大切

内的リスクである身体機能や認知機能に問題がある方は、外的リスクがなくても転倒の危険が高まります。一方、足腰が丈夫で、持病がない内的リスクの低い方は、転倒のリスクが低いように思われがちです。しかし、内的リスクが低い方でも、外的リスクが高まれば転倒しやすい状態になります。

転倒のリスクを軽減するためには、ご自身の身体の状態だけでなく、外的リスクである環境要因にも気をつけることが重要です。

転倒しやすい場所を確認してみよう

転倒の外的リスクを減らすためには、転倒しやすい場所を確認しておくことが大切です。

転倒は自宅内で発生することが多い

転倒は、自宅内で発生することが多いです。まず危険な場所として真っ先に思い浮かぶのは、滑りやすい浴室、段差の多い玄関や階段などです。なお、過去の調査で自宅内で転倒が発生しやすい場所の1位は居間でした。改めて危険がないか、確認しましょう。

屋外の危険個所もチェック

屋外にも転倒を引き起こす障害物はたくさんあります。

➀道路の点字ブロックがずれていたり、端がめくれていたりする。
②道路に亀裂が入っている。
③マンホールのふたがずれている。
④落ち葉や小石などが落ちている。

このほかにも、歩道と道路の段差でつまずいたり、足を踏み外したりする危険もあります。また、雨などで道路がぬれているときは、滑りやすくなっているので注意が必要です。

屋外では障害物がない場所は少ないと意識して、地面の歪みや段差などを確認して歩くようにしましょう。

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