【第12回】教えて!初めての在宅介護~訪問リハビリテーションとは?~
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リガクラボの連載「教えて!初めての在宅介護」では、初めての介護への疑問・不安についてお答えするべく、在宅介護に関する情報を紹介しています。
第11回の記事では、働きながら在宅介護をする際に柔軟に利用できる介護サービスや制度についてご紹介しました。第12回となる今回は、自宅に理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などに訪問してもらい、リハビリテーションを利用できる訪問リハビリテーションについてお話ししていきます。
【特集】教えて!初めての在宅介護
PROFILE
今回の質問者:Cさん (54歳・女性 )
・80代の父親が脳梗塞の後遺症で、体の右側に片麻痺があり、日常生活に支障がある。
杖をついて歩くことはできるが、最近は動くことが億劫になっている様子で塞ぎこんでいる。
・父親は、Cさんの家族(夫、子ども2人)と一緒に暮らしている。
Cさんは時短で働いており、Cさんの仕事の状況にあわせて、夫は介護休暇を活用している。
・父親の要介護度:要介護1
Q. 父は脳梗塞の後遺症で利き手の右手や右足に力が入らず、歩いたり、服を着たり、入浴したりといった日常生活に支障があります。昔のように動けるようになりたいようですが、最近は外出を拒否します。自宅でリハビリテーションを受けたいと思っているのですが……。
A. 同居されているお父様が、脳梗塞の後遺症で日常生活に支障があり、塞ぎ込んでしまっているようで、ご心配ですね。リハビリテーションを受けることで、不自由になってしまった身体の機能を取り戻し、少しずつ以前のように生活できると良いですね。
お父様は外出を拒否されるとのことなので、病院などの施設に出かけてリハビリテーションを受けるのが難しい状況だと思われます。そのような場合には、自宅でリハビリテーションを受けられる訪問リハビリテーションを利用するのがおすすめです。
では、訪問リハビリテーションとは具体的にどのようなものなのか、また、利用できる人はどのような方なのかをご説明します。
訪問リハビリテーションとは?
訪問リハビリテーションとは、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが利用者の自宅を訪問し、心身機能の維持回復や日常生活の自立に向けたリハビリテーションをおこなう介護保険サービスです。
日常生活動作訓練などのほかに、介護負担を少なくするための移動の仕方や生活の幅を広げるための外出訓練などもおこないます。
介護保険の訪問リハビリテーションの対象者は、要支援・要介護認定を受けていて、医師が必要と認めた方であれば利用できます。
訪問リハビリテーション事業所や、理学療法士・作業療法士などが所属する訪問看護ステーション、病院、診療所、介護老人保健施設などがサービスを提供しています。
Q. 父は散歩が好きだったので、歩くことに自信をつけられるように、ぜひ利用を検討したいです。どのようなサービスを受けることができるのでしょうか? 費用はどれくらいかかるのかも知りたいです。
A. 訪問リハビリテーションでは、次のようなサービスを受けることができます。
- 歩行、寝返り、起き上がり、立ち上がり、座るなどの機能訓練
- 麻痺や褥瘡解消のためのマッサージ
- 食事、排泄、着替えなどの生活動作訓練
- 福祉用具の活用方法のアドバイス
- 住宅改修のアドバイス
- 言語機能、嚥下機能の訓練
- ご家族への介助方法の指導
ご本人の機能訓練や生活動作訓練はもちろん、ご家族への介助方法の指導や福祉用具の活用方法のアドバイスなども受けられますので、活用してみてはいかがでしょうか。
なお、費用については要支援、要介護度によって異なります。訪問リハビリテーションの詳細や負担金額などについては、厚生労働省のサイトにも情報が掲載されていますので参考にしてください。
また、福祉用具の活用法や住宅の改修については下記の記事でもご紹介していますので、参考にしてみてください。
訪問リハビリテーションを利用することで、お父様がご自宅で快適に生活できるようになり、趣味の散歩を再び楽しめるようになるといいですね。また、Cさんご家族も安心してお父様を見守って、仕事と介護を両立していけるよう応援しています。
※介護サービスの内容などには地域差があります。
※この記事は2024年12月11日時点での情報で作成しています。
※この記事は、以下、厚生労働省を含む各コンテンツならびに各文献を参考に作成しています。
介護サービス情報公表システム 公表されている介護サービスについて「どんなサービスがあるの?-訪問リハビリテーション」(厚生労働省)
『医療福祉総合ガイドブック 2021年度版』.医学書院.2021.p35、p163
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