映画「栞」が伝えたいこととは?理学療法士の葛藤と成長を描く
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映画の主役は誰?―榊原監督からのメッセージ
初めまして。映画監督の榊原有佑と申します。
私は2010年まで三重大学附属病院に理学療法士として勤め、現在は映画監督として活動しています。
これを伝えると「全然違う業界にいきなり転身!?」と驚かれます。
確かに求められる専門知識や技術など多くの部分で違いはありますが、現在映画監督として仕事をしていて、理学療法士として働いていた時とすごく似ているなぁと感じることがあります。
それは一つの目標に向かって多くの専門家が関わっていくことです。
映画監督は制作現場の責任者でありますが、自らの手足を使って映画を創っている訳ではありません。実際にクリエイティブ活動をしているのはキャスト・スタッフ、本当に多くのスペシャリストたちなのです。
医療現場での主役は患者さんだと思います。では、映画制作の主役は誰なのか?
あくまで私個人の考えですが映画制作の主役は監督ではありません。
主役はあくまでもその映画の企画 に内在されている“想い”です。
その“想い”が常に中心に居て、どういう形で表現され、どのように世界に羽ばたいていくべきなのかを多くの専門家たちと何度も話し合い、共に創り上げていくものが映画だと考えています。
前置きが長くなってしまいましたが、映画「栞」は私の理学療法士時代に感じていた“想い”が中心となり、素晴らしいキャスト・スタッフがそれぞれのスペシャリティを発揮して完成しました。
映画をご覧になっていただける機会がありましたら、私たちが大事にしてきたその“想い”に耳を傾けていただけると、とても嬉しいです。
最後に私が映画監督として作品を創り続ける意義について述べたいと思います。
簡潔に申し上げると、とても陳腐に聞こえるかもしれないですが、それは自己表現です。
自分で体験したこと、感じたこと、考えていること、それを映画というメディアで表現し、恐れずに発信していく。そしてその自己表現を通して社会と繋がっていきたい。私はそう考え、これからも映画を創り続けていきたいと思っています。
映画「栞」のラストシーンで主人公の雅哉が取った行動は、まさに自分がこの映画を長年かけて創ってきた姿に重ねています。
たった2時間の1本の映画で社会に何が提供できるのかは分かりませんが、それでも自分の“想い”を発信し続けることで、この世界を1ミリでも明るい未来に前進させることが出来ると信じています。
どうか雅哉の取った行動が、この世界にいる誰かにとって意味のあるものになってくれることを願っています。
「栞」作品情報
作品タイトル | 栞 |
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配給 | NexTone |
配給協力 | ティ・ジョイ |
出演 | 三浦貴大 阿部進之介 白石聖 池端レイナ 福本清三 鶴見辰吾 ほか |
監督 | 榊原有佑 |
脚本 | 眞武泰徳 |
共同脚本 | 岡本丈嗣 |
音楽 | 魚返明未 |
主題歌 | 「Winter」 作曲:Liam Picker/西川悟平 |
「栞」自主上映会の主催者募集について
映画「栞」は本作の自主上映会を開催してくださる主催者さまを募集中です。
個人、団体、自治体、法人など、どなたでも自主上映会を企画することが可能です。
DVDを再生できる機器とプロジェクターをご準備いただければ上映会は可能です。
※「出張上映サービス」もございます。上映機器をお持ちでない方もお気軽にお問い合わせください。
自主上映会の詳細・お申し込みについては、下記のPDFをご確認ください。
なお、本自主上映会については、公益社団法人 日本理学療法士協会が取り扱う事業ではございませんので、ご質問などはPDFに記載のお問い合わせ先にお願いいたします。
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