【後編】理学療法士の歴史 社会貢献・国際貢献・被災地復興―活動の場がさらに広がる
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2012年(平成24年)~ 東日本大震災の被災地復興への取り組み
2011年(平成23年)3月11日に日本を襲った東日本大震災では、多くの尊い人命が奪われ、東北の各都市は壊滅的な被害を受けました。
翌2012年(平成24年)に、日本理学療法士協会、日本作業療法士協会と日本言語聴覚士協会の3団体は、地域の医師や介護支援専門員と連携し、訪問リハビリテーションを通して高齢者や障害のある方が住みやすい街づくりを目指す「一般財団法人 訪問リハビリテーション振興財団」を設立し、被災地である福島県南相馬市に「浜通り訪問リハビリステーション」を開設しました。
その後、岩手県宮古市に「宮古・山田訪問リハビリステーションゆずる」(2013年4月)、宮城県気仙沼市に「気仙沼訪問リハビリステーション」(2014年10月)を開設しており、現在も被災地の地域リハビリテーションに継続的に取り組んでいます。
2012年(平成24年)~ 公益社団法人として社会に対する役割と責任を担う組織へ
日本理学療法士協会は2012年(平成24年)に、内閣総理大臣より公益社団法人として認可されました。同年6月には公益社団法人移行祝賀会が開催され、1966年(昭和41年)の協会設立以降の歴史を振り返るとともに、改めて協会の基本理念が示されて、公益社団法人として社会に担う役割と責任を広く宣言する場となりました。
また、2016年(平成28年)には設立50周年を迎えました。身体に障害のある方を対象として、主に医療施設を中心に始まった理学療法は、50年の時を重ねて、介護施設での治療や介護予防、スポーツなど、幅広い領域に広がってきています。
50年の節目にあたり、日本理学療法士協会では50周年記念サイトを開設し、国民の皆様から広くロゴやキャッチフレーズ、イメージキャラクターを募集しました。また、記念学会として第50回日本理学療法学術大会を東京国際フォーラムで開催するなどの事業も実施しました。
2017年(平成29年)~ 国際社会に向けた活動が拡大、更なる社会への貢献を目指す
2017年(平成29年)には、国が推進する「アジア健康構想」の基本方針のもと、内閣官房 健康・医療戦略室との共催で「アジア理学療法フォーラム」を開催し、アジア14の国と地域から理学療法士協会の代表者が参加しました。
国内での理学療法の発展により、国際社会での貢献も求められるようになってきました。日本理学療法士協会では国際貢献のためのさまざまな事業に積極的に取り組んでいて、近年では世界理学療法連盟学会の開催を招致し、日本での24年ぶりとなる開催が2023年(令和5年)に決定しています。
日本理学療法士協会は、2020年(令和2年)に設立55周年を迎えます。理学療法士がすべてのひとの健康と幸福の実現に取り組めるよう、これからも協会の基本理念に則り、これからもさまざまなフィールドで理学療法を通じて社会に貢献していくことが求められます。
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