
【後編】防災の日特集 災害時の新型コロナ感染を防ぐために~介護や医療ケアが必要な家族に向けて~

おわりに:コロナ禍の災害に備えて今から準備をしましょう
地震災害や大型台風など、不測の事態に備えて、日ごろから災害や感染症に関する情報、知識の収集に努めましょう。自宅には、家族の人数分、必要な物を備蓄しておき、お住まいの地域や職場、職場の周辺地域の避難訓練にも参加して、地域ごとで異なる災害対策の違いを知っておくことが大切です。災害への備えを少しずつでも充実させていくことで、「自助・共助のチカラ」、「地域の中でのつながり」も強くすることができます。
そして健康な状態、健康な心や身体でいること自体が、感染予防につながるものです。普段ヘルスプロモーション(健康づくり)としておこなっている運動が、避難の判断から避難行動をとる際の対応、そして自分たちの住む地域の「防災力」向上にもつながるという意識を持って、日ごろから趣味のアクティビティや運動に取り組んでもらえたらと思います。
3回にわたって紹介してきた防災の日の特集、いかがでしたでしょうか?
コロナ禍の災害時には、それぞれの状況に合った避難方法や感染対策、持ち物が必要になります。防災の日を機に、紹介した内容を参考にして、いざというときのための準備を始めてみてはいかがでしょうか。
PROFILE
下田 栄次(しもだ えいじ)
湘南医療大学 リハビリテーション学科 理学療法学専攻 助教
独立行政法人 国際協力機構 国際緊急援助隊 医療調整員(理学療法士)
公益社団法人 神奈川県理学療法士会 災害対策委員会 委員長
一般社団法人 日本災害リハビリテーション支援協会(JRAT)本部 広報委員
一般社団法人 日本災害リハビリテーション支援協会 かながわJRAT 事務局長
登山者遭難救助隊(山岳救助隊)
自身の事故経験から理学療法士を志し、資格を取得。東日本大震災を機に、災害リハビリテーション支援チーム「Physical Support Volunteer Team」を結成。ボランティアとして、被災者の支援活動をおこなう。現在は、湘南医療大学にて教鞭を取りながら、災害時における避難所生活環境支援と、登山活動における外傷・障害予防の実践に関する研究活動を実施。ほかにも国際緊急援助隊(JDR)隊員、 神奈川県理学療法士会 災害対策委員会 委員長、日本災害リハビリテーション支援協会 かながわJRAT 事務局長、秦野市丹沢遭難対策協議会 登山者遭難救助隊など、その活動は多岐にわたる。