【第4回】在宅ワークで緩んだ身体を鍛えよう!~肩・腕の筋力を強化しよう!上肢編~

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新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、新しい生活様式が定着していく一方、運動不足による健康二次被害が懸念されています。中でも在宅ワークが増えたことで外出の機会が減り、「体重が増加した」「筋肉が落ちた」など自覚のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、在宅ワークで起こりやすい身体の不調を取り上げ、家の中でおこなえるトレーニングを全4回にわたってご紹介します。

第3回は下肢を取り上げて、足の筋力低下やむくみを引き起こす原因と対策、トレーニングをお伝えしましたが、第4回は上肢を取り上げて、身体の部位ごとに、在宅ワークで起こりやすい身体の不調とその対策もあわせてお伝えします。お話をうかがったのは、株式会社FiNC Technologies ライフサイエンス室の川村有希子さん(理学療法士)です。

上肢で起こりうる不調

上肢とは、肩から手までを指し、肩関節・肘関節・手関節と手指の関節があります。肩から肘までを上腕、肘から手首までの間を前腕と呼びます。在宅ワークで注意したい上肢の症状は、パソコン作業やデスクワークで同じ姿勢のまま手や肘を酷使することが原因で生じる「過用症候群」です。

  • 手指・手首の不調:腱鞘炎やばね指等
  • 肘や肩の不調:外側上顆炎(がいそくじょうかえん)(テニス肘)や内側上顆炎(ないそくじょうかえん)(ゴルフ肘)等
  • 肩から首の不調:頚肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)等

手首・手指の不調-腱鞘炎など

手指は、複数の細く小さい骨と筋肉などにより構成されています。手指の動きは、複数の前腕の筋肉が収縮し、腱の付着する骨を引っ張ることで、繊細で複雑な動きを実現しています。腱とは、筋肉の一部で骨と筋肉をつないでいる線維性の組織です。指や手首の関節で、これらの腱をトンネルのように包んでいる組織を腱鞘(けんしょう)と呼びます。

パソコンを使う作業では手指を多く使用するため、同じ筋肉を繰り返し使うことで、腱鞘と腱がこすれ合い、「腱鞘炎」が生じやすくなります。

腱鞘炎は、使い続けることで腱鞘が腫れ上がり、ひどくなると、力を入れたときに指がばねのように引っかかる症状(ばね指)などが出てくる場合もあります。緩和したと思っても、また使い始めると再発しやすい、厄介な症状です。握る力が入りにくい、手首や指を曲げる際に違和感や痛みがある、などの症状が現れたら、無理をせずに手を休め、早めの医療機関への相談を推奨します。

肘や肩の不調-肘の外側上顆炎(がいそくじょうかえん)など

マウスやタイピングでの作業では、手首を反らす手関節の伸筋群が収縮したまま肘を動かすことが多くなります。それにより、手首の伸筋群の付着部である肘の外側にストレスがかかり、痛みが生じる場合もあります。これは、テニスの動きでよくみられるため「テニス肘」と呼ばれてきた疾患ですが、パソコン作業で生じる場合もあるのです。

肩から首の不調-頚肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)など

猫背や頭が前に下がった不良姿勢で長時間過ごし、肩から首にかけての筋肉が過度に緊張し続けると、周囲の血流が阻害されてしまいます。そのため、コリやだるさ、ひどいときにはしびれや違和感といった神経症状や痛みにつながる場合があります。また不良姿勢の影響により肩甲骨や上腕骨が正しい位置関係でなくなると、肩関節のスムーズな運動が妨げられ、動きの制限や障害にもつながりやすいのです。

不調を防ぐために

いずれの場合も、パソコン作業ではこまめに休憩を入れ、負担がかかりやすい筋肉を動かすことで筋肉の血流を改善する、痛みや違和感が生じたら無理をしない、などが大切です。作業の合間に時々万歳をしたり、こわばりやすい筋肉を温める、前腕の筋肉をマッサージする、などのケアを取り入れてみるのもよいでしょう。ただし、安静にしていても痛むような急性の疼痛症状がある場合にはおこなわないでください。

ウォーミングアップトレーニング

作業の合間にこまめにおこなってほしい簡単なエクササイズを紹介します。

肩の上げ下げ運動

  • 両肩をすくめるようにぐっと肩を持ち上げます。
  • その後、すとんと肩の力を抜いて脱力し、腕を落とします。この運動を10回繰り返しましょう。

首肩ぐるぐる運動

  • 首をゆっくり大きくぐるりと回します。左右5回ずつおこないましょう。
  • 肘を身体側に曲げて両手はそれぞれの肩の上に置きます。肘で空気を下から上にすくい上げるつもりで外側に向かって円を描くように、ぐるぐると肩を動かします。このとき、肩甲骨も大きく動かすように意識しながら、10回おこないましょう。
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