【第3回】健康寿命をのばすために〜腹圧性尿失禁の予防と対策

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人生100年時代と言われている中で、「生涯元気に自分らしく笑顔で暮らしたい」というのは、多くの人の願いではないでしょうか。そんな中注目されているのが「健康寿命」です。

健康寿命(健康で、日常生活を支障なく送ることができる期間)をのばすためには何ができるのでしょうか。第1回では、そのために重要となる運動による生活習慣病やフレイルの予防、生活機能向上の好循環を作る方法について、第2回では転ばない身体づくりについてお伝えしました。

3回目となる今回は、活動的な生活を妨げてしまう腹圧性尿失禁の症状や原因、その対策のためのトレーニング方法について解説していきます。

腹圧性尿失禁とは?

みなさんは日常生活を過ごす中で、以下のような症状に心当たりはないでしょうか。

  • 咳やくしゃみをしたときに尿が漏れてしまう
  • 身体を動かしているときや運動をしているときに漏れてしまう
  • 重い荷物を持ち上げたときに漏れてしまう

これらは、お腹に力が入ったときに尿が漏れる、「腹圧性尿失禁」の症状です。
腹圧性尿失禁は、妊娠・出産や加齢のほか、前立腺がんの手術などで、ぼうこうや尿道を支えている骨盤底筋が緩むことによって起こります。女性に多く、70歳以上では女性の約40%近くにみられている症状です。

尿もれをはじめとする排泄トラブルは、生活の質にも影響を及ぼします。尿もれが気になることで外出を控えるようになった、スポーツや旅行に参加するのを諦めた…など、活動の機会を減らしてしまうからです。そうすると、運動量も減り、身体機能の低下につながって、心身ともに悪循環となってしまいます。つまり、尿もれ対策は健康寿命をのばすことにつながっているのです。

尿もれの原因となる骨盤底筋の緩みはトレーニングによって予防・改善することができます。健康寿命をのばすために、緩んだ筋肉を鍛えて、尿もれを予防・改善していきましょう!

トレーニングで腹圧性尿失禁を予防・改善しよう

腹圧性尿失禁の予防・改善のためには、骨盤底筋を鍛えるトレーニングが効果的です。骨盤底筋は排尿を途中で止めたり、肛門を締めたりするときに使う筋肉で、自分の意思で動かすことができます。

今回は、トレーニング方法を基礎編・アクティブ編の2つに分けてご紹介しますので、ぜひ試してみてください。トレーニングをおこなう際には、以下のポイントに注意して取り組みましょう。

  • 1日3セット(1セット10回)が目安です
  • お腹やお尻、太ももの力は緩めて、骨盤底筋だけを意識します
  • おしっこやおならを我慢するような感覚で締めてみましょう
  • 息を止めないように気をつけましょう

骨盤底筋トレーニング〜基礎編

  • お向けになって横になり、膝を立て、お腹の力を緩めます。
  • 尿道や肛門を5〜10秒締め、その後ゆっくりと緩めます。

骨盤底筋トレーニング~アクティブ編

  • 基礎編ができるようになったら、椅子に座った状態や立った状態で同様におこなってみましょう。
  • 速く(1~2秒)締めて、緩めることを繰り返す運動もおこないましょう。
次へ:尿ケア用パッドを活用しよう
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