【第1回】教えて!初めての在宅介護~介護が必要になったら?~

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日本では諸外国に例をみない速さで高齢者の人口が増加し「超高齢社会」となっています。そして、高齢者の人口増加と切り離せないのが、介護に関する問題です。

2020年度の厚生労働省の調査では、要介護認定者の数が669万人に達しており、前年度比で約10万人も増えていることが明らかになりました。今後さらに増加が見込まれているため、家族や同居者の介護が必要になるケースもますます増えていくでしょう。

今回からスタートする連載「教えて!初めての在宅介護」では、初めての在宅介護への疑問・不安についてお答えするべく、介護に関する情報を中心に紹介していきます。

PROFILE

今回の質問者:Aさん (45歳・女性

・70代の父親が脳梗塞となり、介護が必要になった。
・介護は未経験のため、何もわからなくて不安を感じている。

Q.70代の父が脳梗塞で倒れ、介護が必要になりました。初めてのことで右も左もわかりません…。まず、何をしたらいいのでしょうか?

A. お父様の介護が必要になったとのことで、とても不安ですね。

各地域には「地域包括支援センター」という機関があります。

「地域包括支援センター」は、市町村が設置主体となり、保健師や社会福祉士、主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)といった専門知識を持った職員が配置されています。主に住民の方々の健康維持や生活支援に関する業務をおこなっており、高齢者等やその介護をおこなう家族に対してさまざまな相談に応じています。まずはここに連絡をしてみましょう。連絡先は、お住まいの地域の市役所・区役所のホームページなどを見てみてください。

その後は地域包括支援センターの案内に従って、「要介護認定(要支援を含む:以下同)」の申請をすることになります。申請をすると調査員が家庭等を訪問し、お父様にどの程度の介護支援が必要なのかを審査して、認定がされるという流れになります。

要介護認定の申請時には、「主治医意見書」が必要となりますので、お父様の主治医に介護が必要になった旨を連絡しておいてくださいね。なお、主治医がいない場合は、市区町村の指定医の診察を受けることになります。

厚生労働省の下記のウェブサイトも参考になるので利用してみましょう。お住まいの都道府県をクリックすれば、最寄りの地域包括支援センターの検索もできますよ。

介護サービス情報公表システム(厚生労働省)

Q.新聞やインターネットの記事などで、よく「要支援1」「要介護4」などという言葉を目にします。これはどういう意味なのでしょうか?

A. 介護が必要になった場合には、お住まいの市町村の地域包括支援センターで要介護認定の申請をすることは最初の質問の回答でお話ししました。

ご質問の「要支援1」「要介護4」は、要介護認定の介護の必要度合いを表すものです。認定は、要支援1・2から要介護1~5までの7段階および非該当に分かれています。それぞれの具体的な状態像をみていきましょう。

要介護・要支援認定の状態

出典:厚生労働省「要介護認定の仕組みと手順」一部改変

要支援は、基本的に一人で生活できる状態であるが、家事や身じたく等の日常生活に支援が必要な状態を示します。要支援1または2にあたる場合、介護予防サービス(※)を利用できます。
※介護予防サービス:介護予防(生活機能を維持・向上させ、要介護状態にあることを予防すること)に適した、軽度者向けの内容・期間・方法で提供されるサービスのこと。

一方、要介護は、寝たきりや認知症などにより、常時介護を必要とする状態を示します。要介護1~5にあたる場合、介護サービスを利用できます。

なお、要介護認定は、コンピューターでの一次判定、その後専門家による「介護認定審査会」で審査され(二次判定)、介護度が決定されます。

また、要介護度によって、介護保険の支給限度額も異なります。お父様の介護にあたり、費用負担を減らし適切な介護サービスを利用するためにも、まずは要介護認定の申請をおこないましょう。今回触れた「介護サービス」の具体的な内容等については、次回の記事でお話ししたいと思います。

※この記事は2022年1月19日時点での情報で作成しています。
※この記事は、以下、厚生労働省を含む各コンテンツを参考に作成しています。
令和元年度 介護保険事業状況報告(年報)のポイント(厚生労働省)
要介護認定に係る制度の概要(厚生労働省)
介護サービス情報公表システム 介護保険の解説(厚生労働省)
要介護認定(厚生労働省)
地域包括ケアシステム(厚生労働省)

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