【第5回】教えて!初めての在宅介護~働きながら認知症の母を介護するには?~
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Q. 両立に向けて、少し希望が見えてきました。私の場合、どのように「仕事と介護の両立支援制度」と「介護保険制度等による支援やサービス」を組み合わせて、仕事と母の介護を調整するのが良いでしょうか?
Dさんはお母様と二人暮らしのため、Dさんが仕事に行く日中はお母様を一人にしてしまうのが不安とのこと。お母様が一人で過ごす時間を極力短くすることに重点を置くのも、ひとつの方法です。
在宅介護の場合も、通所介護等のサービスを受ければ、お母様は日中施設で過ごすことができます。具体的には、仕事をしている月曜日~金曜日の日中に通所介護を利用して、お母様には1日6時間くらい施設で過ごしてもらいます。通所介護は送迎がある場合が多いので、Dさんは短時間勤務制度を活用して、送迎時間に合わせて出社時間を調整します。また繁忙期等は、通所介護の延長サービスを利用して、残業に対応することも可能です。
このように、お母様がなるべく一人でいる時間を短くするために、お母様に日中は通所介護を利用してもらい、Dさんは短時間勤務で早く帰れるように会社と調整してみるのはいかがでしょうか。
出典:平成29年度版「仕事と介護両立のポイント あなたが介護離職しないために」(厚生労働省)
介護サービスの詳細については、下記の記事でご紹介していますので参考にしてください。
Dさんが仕事を続けながら、お母様の介護と両立していけるよう応援しています。
※介護サービスの内容などには地域差があります。
※この記事は2022年8月31日時点での情報で作成しています。
※この記事は、以下、厚生労働省を含む各コンテンツならびに各文献を参考に作成しています。
おわりに
今回は仕事を続けながら介護をするための制度、サービスなどについてご紹介しました。
大切なのは、会社と介護の専門職の双方に相談することです。
勤務先によって違いはありますが、仕事と介護の両立のためにはさまざまな制度が設けられています。もし、ご自身が働きながら介護をする立場になったときは、会社のどのような両立支援制度を利用するかを人事労務担当者や上司に相談してみましょう。
また、どのような介護保険サービス等を利用したいのかをケアマネジャー等の介護の専門職に相談して、自身の仕事や介護の状況、希望等を踏まえて調整をするのがおすすめです。
介護を一人で抱え込まずに、利用できる制度を活用して、無理なく仕事と両立させていきましょう。今は介護をしていないという方も、いざというときに備えて、自分の勤務先にどのような制度があるか調べておくのもいいですね。
万が一に備え、この連載が少しでも皆さんのお役に立てたらうれしいです。
次回もお楽しみに。
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