【第1回】健康寿命をのばすために~生活習慣や生活機能を見直そう

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生活習慣病を予防して健康寿命をのばそう

死亡原因の上位を占める生活習慣病

セルフフレイルチェックが完了したら、まずは「生活習慣病」の予防について学んでいきましょう。

日本人の疾患別で見た死亡原因は、最も多いのが「悪性新生物(がん)」、次いで「心疾患」「肺炎」「脳血管障害(脳卒中)」と続いており、これらはすべて生活習慣が深く関与する疾患として「生活習慣病」と呼ばれています。つまり、この生活習慣病を予防できれば、健康寿命がのびる可能性を高くすることができます。

生活習慣病予防には適度な運動が効果的

生活習慣病を予防するには、運動、食生活、喫煙、飲酒などの生活習慣の見直しが重要になります。

中でも適度な運動は効果的とされています。血流改善による新陳代謝の促進、中性脂肪量・血糖値や尿酸値、心肺機能や高血圧の改善だけでなく、健康な生活リズムの獲得とストレスの軽減なども期待できます。

生活習慣病予防に効果がある運動は、ウォーキングなどの有酸素運動と立って歩くために必要な筋力強化運動です。実際の運動方法についてはリガクラボの記事でも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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なお、個人によって適切な運動量は異なります。過度の運動で他の部位に支障をきたさないように、軽めの運動から始めましょう。また、関節の痛みや持病のある方は、間違った運動で痛みが増したり、持病が悪化することがありますので、運動の前に主治医や理学療法士へ相談することをお勧めします。

少しの運動でも継続することが大切なので、長く続けられる運動を取り入れましょう!

運動の効果に年齢は関係ない!

生活習慣病の予防には適度な運動が効果的とお伝えしましたが、今から取り組んでも効果がないのではないかと思われる方もいるかもしれません。実際に、これまで老化は右下がりに進むと一般的には考えられてきましたが、実は亡くなる少し前までは身体の機能が比較的維持されているとわかってきています。

しかし、身体の機能を維持するためには、以下の図のように活動的な生活を送ることが求められます。そうでない場合、運動不足により身体の機能の下がり方が大きくなってしまい、病気やけがなどをきっかけに急速に寝たきりとなる可能性も出てしまいます(図2)。

図2

(公財)健康・体力づくり事業財団ホームページ健康ネットより引用

つまり、運動は何歳から始めても、その時点からの予防につながります。体力に自信のない方ほど、正しい方法で取り組めば効果的です。さらに、運動によって、頭や身体の老化を抑えられるだけでなく、若返ることさえ可能になることもわかっています。

生活機能向上で健康寿命をのばそう

ここまで読んでくださった皆様に、健康寿命をのばすためには、「生活機能」(人が生きていくための機能全体)を向上させる大切さもぜひ知っていただきたいと思います。

例えば、文化サークルや地域の集まりなどに「参加」する機会を増やせば、運動量が増え、「心身機能」が向上します。そして「心身機能」が向上すれば、「活動」の範囲が広がることとなります。さらに「活動」の範囲が広がれば、文化サークル等への「参加」の機会が増えていく…といった形で、好循環が生まれ、より活動的な生活へとつなげていくことができます。

この「参加」「心身機能」「活動」の3つの関係性を理解し、生活機能向上の好循環を生み出せるように意識していきましょう。

まとめ

今回は、健康寿命の基本的な考え方や、生活習慣、生活機能の好循環を生み出す仕組みなどについてご紹介しました。

できるだけ長く健康に日常生活を支障なく送るためには、運動を始めとした生活習慣病の予防や生活機能の向上がとても重要です。コロナ禍ということで、さまざまな活動やイベント等の参加に制限がある日常が続いていますが、密を避けたウォーキングや散歩、自宅での運動など、まずはできることから前向きに取り組んでいきましょう。

次回は、健康寿命をのばすために大切な「転倒しない身体づくり」についてご紹介します。

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