【第21回】理学療法士のオススメ書籍&一覧 「医療の礎を築いた人々のドラマを知る2冊」

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リガクラボでは、全国の理学療法士から「みんなに薦めたい書籍、薦めたら好評だった書籍」を募集し、毎回テーマに沿ったオススメの書籍を紹介しています。

読者の皆さんの健康に役立つ、そして身体や命について考えるきっかけになるような書籍を、理学療法士の視点でピックアップしていきます。

第21回となる今回のテーマは「医療の礎を築いた人々のドラマを知る2冊」です。

それでは早速、一冊目の本をご紹介します。

光る壁画

「吉村昭 著『光る壁画』(新潮文庫刊)」
著者: 吉村 昭
出版社: 新潮社

書籍の概要

※概要は、新潮社HPからの引用・抜粋となります。

胃潰瘍や早期癌の発見に絶大な威力を発揮する胃カメラは、戦後まもない日本で、世界に先駆けて発明された。わずか14ミリの咽喉を通過させる管、その中に入れるカメラとフィルム、ランプはどうするのか……。

幾多の失敗をのりこえ、手さぐりの中で研究はすすむ。そして遂にはカラー写真の撮影による検診が可能となった。

技術開発に賭けた男たちのロマンと情熱を追求した長編小説。

オススメする理由

ペンネーム:ただのオヤジ さん

戦後日本の高度成長期を縁の下で支えたエンジニアの物語。何度失敗しても立ち上がり、決して諦めることなく挑み続けるその展開は、「プロジェクトX」を彷彿とさせ、知らず知らずに引き込まれていきます。

豊かになった現代日本において、いつの間にか忘れ去られたもの作りの情熱。何度転んでも立ち上がる、それは決してあきらめないリハビリテーション医学のスピリッツと重なります。

【リガクラボ編集部より】

今や医療の現場で欠かせない内視鏡。それを実用化まで導いた胃カメラを開発したのは日本人だったことをご存知でしょうか?

『光る壁画』は、記録文学の第一人者、吉村 昭氏が事実に基づいてストーリーを紡いだ小説です。1980年に新聞連載、1981年の単行本化を経て、2011年にはテレビドラマ化もされました。

次々と課題に突き当たりながらも、並々ならぬ情熱で乗り越えていく技師と医師、そして複雑に絡み合う人間模様が描かれています。技術革新の裏には、様々なドラマや試行錯誤があることを思い知らされる一冊です。緻密な筆致にページをめくる手が止まらなくなるはずです。

続いて二冊目はこちら。

新装版 白い航跡(上)(下)

著者: 吉村 昭
出版社: 講談社

書籍の概要

※概要は、公式サイトからの引用・抜粋となります。

西洋医術にあこがれ海を渡った薩摩の若者が海軍を救った!

薩摩藩の軍医として戊辰戦役に従軍した高木兼寛は、西洋医術にあこがれる。やがて海軍に入った兼寛は海外留学生としてイギリスに派遣され、抜群の成績で最新の医学を修め帰国した。

海軍軍医総監に登りつめた高木兼寛は、海軍・陸軍軍人の病死原因として最大問題であった脚気予防に取り組む。兼寛の唱える「食物原因説」は、陸軍軍医部の中心である森林太郎(鴎外)の「細菌原因説」と真っ向から対決した。

脚気の予防法を確立し、東京慈恵会医科大学を創立した男の生涯を描く歴史ロマン。

オススメする理由

ペンネーム:初孫にメロメロ さん

権威者や著名人が勧める治療法は“効果がある”と多くの方々はそう信じる傾向があります。しかし、科学的根拠(エビデンス)のない権威者の意見は信頼するに値しません。

東京大学医学部出身の森林太郎(鷗外)らの権威者に屈することなく、臨床実験で自説の正しさを証明し、多くの兵士や国民の命を救った高木兼寛の生き様は、情報過多の時代に生きる私たちにとって、何を信じたら良いのか、その示唆を与えてくれるでしょう。

【リガクラボ編集部より】

『白い航跡』は、『光る壁画』と同じく吉村 昭氏が記した小説です。後に東京慈恵会医科大学を創立した医師・高木兼寛の生涯が綴られています。

薩摩藩の軍医から海軍に入り、イギリスで医学を学んだ高木兼寛は、海軍軍医総監となり、当時、日本軍で流行していた脚気の解決に取り組みました。そして、白米食に原因があると考えた高木兼寛は、海軍における兵食改革をおこない、脚気予防に成功しました。

激動の時代を生き、権力闘争に翻弄されながらも医療の道を切り拓いた医師の姿に引き込まれる一冊です。

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