【中編】理学療法士の歴史 教育向上と学術研究で世界水準を目指した発展期

写真:第6回アムステルダムWCPT総会
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1992年(平成4年)~ 全国へ広がる理学療法士教育

1992年(平成4年)、広島大学医学部保健学科に理学療法専攻が新設されました。理学療法士の養成課程として、4年制大学教育が開始されたのです。これ以降、大学教育による理学療法士養成は全国に広がっていきます。

また、1994年(平成6年)には理学療法士協会において、理学療法士の新人教育プログラムが開始されました。1997年(平成9年)には、理学療法士のさらなる資質向上や自発的な学習の継続を目指し、生涯学習システムの構築と専門・認定理学療法士制度の導入がなされ、学校を卒業した後でも理学療法士の学習を続けられる学習制度の基盤ができました。

現在、卒後教育をより臨床力を高めるものとするために2021年(令和3年)を目途とした新生涯学習システムの準備が進められています。

1998年(平成10年)~ 日本の理学療法は世界へ

写真:第13回世界理学療法連盟学会

1998年(平成10年)、英文学術誌『JJPTA(Journal of the Japanese Physical Therapy Association)』を創刊しました(2016年12月より誌名を『Physical Therapy Research(PTR)』に変更)。世界水準を目指してきた日本の理学療法にとって、ひとつの到達点ともいえます。

Physical Therapy Research(PTR)

その翌年、1999年(平成11年)には、パシフィコ横浜において「第13回世界理学療法連盟学会」が初めて日本で開催されました。「文化を超えて」をテーマに、76カ国からの参加があったほか、天皇・皇后両陛下もご臨席されました。

世界理学療法連盟

2003年(平成15年)に、『理学療法診療ガイドライン』が発刊され、日本の理学療法の水準の向上に寄与することとなりました。

理学療法診療ガイドライン

昭和から平成にかけて、理学療法士の教育水準向上と学術研究の充実を進めてきた理学療法士協会ですが、2000年(平成12年)の介護保険制度導入や2006年(平成18年)の診療報酬改定などの影響を受けて社会に目を向けた活動に力を入れるようになります。

次回は、2000年代以降の理学療法の発展についてお伝えします。

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